スマート・コミュニティ形成での大きな役割に期待

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表1.スマート・コミュニティ形成での大きな役割に期待

そして、表1にあるように、わが国の2030年における発電電力量ベースでの電源構成は、再生可能エネルギー30%、節電(による需要減少)10%、火力40%、原子力20%になるものと推定される。

ただし、将来の電源構成を考える際には、分散型電源の構成比も「見える化」すべきかもしれない。というのは、再生可能エネルギー利用電源の拡充には、分散型電源の普及(=スマート・コミュニティの形成)が重要な条件となるからである。

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表2.2030年における発電電力量ベースでの日本の電源構成

表2は、表1の推定をふまえて、30年における発電電力量ベースでの日本の電源構成見通しに分散型電源分を織り込んだものである。表2では、分散型電源のウエートを20%とし、その内訳を、再生可能エネルギー利用電源10%、火力発電10%とみなしている。

再生可能エネルギー利用電源のウエートが合計で30%、火力発電のウエートが合計で40%となる点は、表1の場合と変わりがない。

表2で分散型電源の構成比が再生可能エネルギー利用電源と火力発電とに二分されるのは、再生可能エネルギー利用電源のうち今後の成長が期待される太陽光発電や風力発電には、稼働率の低さや出力の不安定さという問題がつきまとうため、それを解決するためにガスタービン火力発電などによるバックアップが必要とされるからである。

もちろん、30年までには蓄電池の技術革新が進むから、火力によるバックアップの必要度は現在より低下するであろうが、形成されるスマート・コミュニティにおいては、それでもまだ、相当程度のガス火力の参画が求められるだろう。

わが国におけるスマート・コミュニティの形成は、東日本大震災の被災地復興のプロセスで、先行的に実現してゆく可能性が高い。被災地三県の県内全世帯数に占めるLPガス使用世帯の比率は、岩手県で90%、宮城県で64%、福島県で85%に達する。

つまり、今後、被災地でスマート・コミュニティが形成される場合には、必然的にLPガスが重要な役割を果たすことになるわけである。

スマート・コミュニティにおけるLPガスの役割は、家庭用・業務用・産業用のLPガス・コジェネレーションという電気供給面にとどまるわけではない。LPガスは、スマート・コミュニティ内の熱供給にも大きく寄与する。

先の川本氏の言葉にもあるように、LPガスは、「分散型エネルギー」という点で、電気や都市ガスよりも秀でている。日本のエネルギーの歴史は、電力系統やガス導管による「集中型エネルギーの時代」から「分散型エネルギーの時代」へ、大きく方向を変えようとしている。

そのような時代の転換点において、分散型エネルギーのロントランナーであるLPガスへの期待が高まるのは、ある意味で当然のことといえる。

このように期待が高まるLPガスであるが、その利用の拡大を図るためには、LPガス業界の高コスト体質を改善する必要がある。高コスト化をもたらす要因としては、次の2つの点が重大である。