片頭痛は“引き金”を見つけることが重要

片頭痛は、特に血管性要素が強い頭痛です。脳の血流が低下して脳の血管が広がり、血管をとりまく神経を刺激するために痛みが生じるのが血管性の頭痛ですが、その中でも、何らかの理由で急に血管が広がったことで起こるのが片頭痛です。日本の患者数は約840万人で、以下のような症状があります。

【北原式 片頭痛8つのチェック】
1.頭の片側だけに起こる
2.拍動性(ズキンズキン、ドクンドクン)がある
3.痛みはだんだんとひどくなり、我慢できない、仕事にも支障
4.体を動かすと痛みが悪化
5.様々な刺激(光、音、匂い)に敏感になり、酷くなることがある
6.吐き気や、むかつき、羞明しゅうめい(まぶしさ)などを伴う
7.筋肉のコリを伴うこともある
8.30%程度の患者には「前兆」がある(目の前がチカチカする、視野が狭くなり、光が走ったりする、生あくびが出る)

中年男性に多く、しばしば「片目の眼球の奥をえぐられるような」と表現されるほどの激しい痛みは「群発性頭痛」を疑います。

対処法は、治療と予防の両面から必要ですが、ほとんどの片頭痛の場合、痛みが起きた時の治療、すなわち薬を飲むことだけに集中しているのですが、ほんとうに大切なことは「起こさないようにする」ことです。

多くの場合、片頭痛を起こすきっかけ(トリガー)があります。起こさないためには、それを見つけて対処するのです。片頭痛のトリガーになりえるものとしては、

・睡眠不足、過労
・アルコール
・脱水
・低血糖状態(空腹)
・生理時(片頭痛の女性の50%程度は生理時に起こる)
・特定の食べ物:発酵チーズ、チョコレート、赤ワイン、発色剤、ナッツ類など

などで、これらが1つ、あるいは複数重なると、ひどい片頭痛が起こりえます。生活習慣、食生活を見直して改善し、予防することが一番重要です。かつて私自身も片頭痛を持っていましたが、トリガーとなる食べ物を制限し、過労をできるだけ避けるようにしただけで、この十数年間は症状が出ていません。

写真=iStock.com/South_agency
※写真はイメージです

頼りすぎが怖いほど、治療薬が劇的に効く片頭痛

片頭痛の治療薬としては、血管の拡張を劇的に抑える「トリプタン系薬剤(以下トリプタン)」、一般的な鎮痛薬(アセトアミノフェン、NSAIDs)などがあり、吐き気止め(メトクロプラミド、プロクロルペラジン)を併用することもあります。

片頭痛の場合、とにかく早めに薬を使うことが望ましく、我慢してから使うとかえって効果が悪くなります。