自分の向上を評価できるマークをつくる

わたしにとって勉強は、ある程度強制的な要素によって、課題(目的)が設定されているものです。そのゴールに向かっていく手段(過程)が、勉強というわけです。

「自分のための学び」は少しちがいますが、勉強はゴールがかなり明確で、また、たいていの場合ゴールにたどり着けば報酬が用意されています。

「その過程の勉強が苦しいんだけど……」という人もいるでしょう。

苦しい過程をやり抜くポイントは、少しでも自分の向上を見つけ出すことです。そのため、ぜひ「自分は前へ進んでいる」と評価できるマーキングをしてみてください。

齋藤孝・中野信子・山口真由『人生の武器になる 「超」勉強力』(プレジデント社)

わたしの場合は、書き続けて減ったボールペンやメモパッド、また指にできたペンだこなど、物理的に勉強量がわかるものを見ると「前へ進んでいる実感」を持てます。

やり方は人それぞれですが、努力の過程をうまく「見える化」すれば、進んでいる実感が得られ、その達成感はさらに進んでいくモチベーションになります。

一方、論文に取り組むときは、「つまらなくてもいいから1日5ページ書く」と決めています。論文を書く作業は、質にこだわると時間がかかりがちで、「自分は前へ進んでいない……」と自己嫌悪に陥る場合が多いです。向上している実感を得るために、わたしの場合は量を基準としています。とにかく文字を積み重ねていくわけです。

このように自分の向上を評価できるマークをうまく設定できれば、勉強や学びはきっと楽になっていくと思います。

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