ロックダウンの影響でスーパーのカツカレー商品が豊富に
イギリスにおけるカツカレーの浸透ぶりを実感するには、世の中にどれだけカツカレー商品が出回っているかを見てみるとよい。
まずスーパーが開発している調理済み食品(レディミール)。カツ付きで電子レンジで温めていただくタイプ。トップスーパーマーケットのほぼ全社が自社または提携先とのコラボで商品を開発している。出回りはじめたのはおそらく10年以内のことだが、現在も各社が新レシピのレディミール開発を続けている。例えば大手スーパーのテスコがYO! Sushiの親会社であるYO!グループと提携して新商品を出し、子ども向け栄養学の専門家アナベル・カーメルによる子ども向けのレディミールが他社から発売されたのは今年になってからだ。
パンデミックによる外食自粛期間を受けて、ワガママでは今年6月になってチキン・カツカレーを含む自社メニューの食品キットをスーパーマーケット向けに卸しはじめ、ファンたちを喜ばせた(利益部分はすべて青少年のメンタルサポートを行うチャリティー団体に寄付される)。ヘルシー・カフェ・チェーンのレオンでも同様にパンデミック以後の売り上げ対策としてカツカレー味の商品を含む食品キットをスーパーに卸しはじめている。
マクドナルドや丸亀製麺もカツカレー味を追加
ワガママのキットに付いているのはカツカレー・ペースト、パン粉、サラダ・ドレッシングの3つ。あとはお好きな材料でカツカレーを組み立てるだけ。こういった手作り感を味わいたい人向けには、瓶入りのカツカレー・ソースやペーストも各社が発売している。
また英国で人気のフード・チェーンが、カツカレー味の限定メニューを加えることも近年のトレンド。例えばプレタ・マンジェのカツカレー・スープ、マクドナルドのカツカレー味ナゲットなど。今年になってロンドン1号店としてヨーロッパに初上陸した丸亀製麺もカツカレー人気を無視できなかったらしく、カツカレーうどんをメニューに取り入れている。
その他、カツカレー風味のカップ麺やスナック菓子など、スーパーマーケットに行けばさまざまな場所でKatsu Curryの文字を見かけるだろう。日本のメーカーも海外向け各種Katsu Curry商品の開発に余念がない。カツカレーはすっかりイギリスで受け入れられ、市民権を得たのである。