派閥幹部は若手を一人ずつ呼びだし、金やポストをチラつかせる
ベテラン議員がなぜあの有象無象うごめく永田町で生き残れたのか。権力維持への執念は、若手議員の選挙に当選したいという執念とそれ以上のものがある。
総裁選が間近になると派閥幹部は若手議員を一人ずつ呼びだし、金やポストをチラつかせ、揺さぶりをかけていく。自民党の当選3回以下の議員たちが立ち上げた「党風一新の会」メンバーも会を重ねるごとに出席者が少なくなっていると聞く。派閥幹部から「あんなものには出るな」という締め付けが始まるからだ。
総裁選が始まると、ホテルなどの一室を借りて毎晩のように議員たちが集まり、情勢を分析する。コロナ禍において、今回はどうなるかわからないが、陣営に来なくなった若手がいれば、それは派閥から切り崩されて脱落していったと見ていい。
総裁選は候補者たちだけでなく、派閥に翻弄される若手議員の戦いの場でもある。人が3人集まれば、派閥ができる。派閥は決してこれからもなくならないし、総裁選というここ一番でその力を見せつけるに違いない。