菅政権の低支持率のさらに下をいく野党支持率
9月3日、菅義偉首相が自民党臨時役員会で、党総裁選に立候補しないことを表明した。この結果、世間の関心事は次期自民党総裁の行方に集中している。マスコミは毎日、「岸田文雄前政調会長だ」「河野太郎行政改革相が支持を伸ばしている」などと報じている。こうしたなかで危機感を募らせているのが立憲民主党などの野党陣営である。
立憲民主党は菅政権の失政批判で、次期衆院選で議席を伸ばそうとしていたが、菅首相の退陣表明でシナリオが崩壊した。全国紙の政治部記者は「自民党は総裁選を盛り上げて、新総裁に“疑似政権交代”をさせることで、国民の注目と支持を再び集めようとしている」と解説する。
そもそも菅首相の支持率がどれだけ下がっても、野党の支持率は上がっていない。菅首相退任表明前の朝日新聞の世論調査(8月7、8日実施)によると、菅政権の支持率は28%と発足以来最低となったが、政党支持率では与党の自民党が32%でトップ。野党第一党である立憲民主党の支持率はわずか6%だった。
なぜ、野党の支持率は上がらないのか。3つの問題点から掘り下げてみたい。