明らかに「ズレている」枝野内閣の7つの政策
枝野代表は9月7日に記者会見を開き、次期衆院選で政権交代を実現した場合、「枝野内閣」の初閣議で直ちに決定する7項目の政策を発表した。
このうち4項目は、日本学術会議に任命拒否された6人の任命、赤木ファイル関連文書の公開など「与党批判」の内容だった。前出の野党担当記者は「記者の間でも『ズレている』と驚きの声が上がりました。あくまで敵失から人気を得ようとする考えが変わらないことにガッカリしたという声も上がっています」と明かす。
8日には立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党などが共通政策として脱原発や消費税減税を盛り込んだ内容を公表した。事業創造大学院国際公共政策研究所上席研究員の渡瀬裕哉氏は「国民ではなく、一部の支援者しかみていない」と語る。
「消費税減税を謳っていますが、枝野氏の公表した『初閣議の7政策』に消費税減税は入っていません。それは消費税減税にずっと及び腰だからで、本気でやる気はない。立憲民主党が目を向けているのは労組や公務員といった支援者ばかりだから、その政策はつねに内向き。国民を見てないのだから支持率が上がらないのも当然なのです」
今の立憲民主党に足りていない重要なもの
自民党が消費税減税を言い出せない以上、野党が消費税減税をより強く主張すれば「選挙の争点になり得る」と渡瀬氏は指摘する。つまり争点が明確であれば、選挙では選択肢になり得るということだ。立憲民主党に足りていないのは、与党との差別化を図るための明確な「対立軸」作りだといえよう。
立憲民主党の支持率が伸びない大きな理由は、その「暗さ」にあるといえるだろう。与党批判だけを原動力にしてきた後ろ向きの姿勢が、党の暗い雰囲気を醸成する要因にもなっている。立憲民主党が常に「野党第一党という現状に満足しているように見える」(政治部記者)と評されるのも、その姿勢があまりに“内向き”だからだろう。
健全な民主主義には、存在感のある野党が欠かせない。改めて、野党第一党としての奮起を期待したい。