メリットを数字で具体的にイメージさせる

次に、「メリット+証拠で理性に訴える」文章を考えてみましょう。

① 抽象的なメリットの例文

この商品を取り扱っていただくと、高い粗利が確保できます。

② 具体的なメリットと、それを裏付ける実績を書いた例文(①の改善例)

この商品を取り扱っていただくと、坪あたりの粗利益率が0.5ポイント改善し、年間にして10万円の利益貢献が想定されます。すでに下記の企業様に実験・導入いただき、喜びの声を頂戴しております。

「この提案を受け入れれば、自社にどんな効果があるのか」を、数字を使って具体的にイメージさせます。さらに、実際にそのメリットを享受している企業事例を列挙するなど、事実や実績を書きます。それが裏付けとなり、説得力が増します。

相手の感情を揺さぶる3つの要素

では、いよいよ思いを伝える文章を考えてみましょう。

①この提案(商品)にどんな思い入れがあるかを考えた例文

多くのバイヤー様からのヒアリング、消費者様からアンケートとグループインタビューで要望を集め、その声を商品に反映させました。消費者庁の許可まで3年をかけ、売り場貢献に加え、消費者様の健康に貢献できる商品が開発できたと自負しております。ぜひ貴社の戦略商品としてお取り扱いいただきたくお願い申し上げます。

白鳥和生『即! ビジネスで使える 新聞記者式伝わる文章術 数字・ファクト・ロジックで説得力をつくる』(CCCメディアハウス)

②改めてどのようなメリットを感じてもらいたいかを追加した例文

新商品は機能性成分を加えるとともに、製法を変更することで、血液中の中性脂肪と血糖値の上昇を緩やかにする効用があります。スナック菓子でありながら、トクホ商品として健康に気を遣いながら食べられる利点があります。

③どんな世の中を作りたいのかを考えた例文

現在、肥満や成人病に悩む方、あるいはその予備軍はかなりの数に上ります。私たちは新商品の提供を通じて、すべての人に健康的で豊かな食生活を実現していただきたいと考えております。

この商品にどんな思い入れがあるか。
この商品提案を受け入れることで相手にどうなってほしいか。
どんな世の中を作っていきたいか(使命感)。

以上3つの要素を入れることで、相手の感情を揺さぶるのです。

特に最近はSDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティが注目されており、3つ目の「使命感の訴求」は避けて通れません。

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