あくまで「おもしろがる精神」を大事にしたい

——「親しき仲にもスキャンダル」という言葉は、もはや、新谷さんのキャッチフレーズのようになっていますが、本来、あまり表立って言わないほうがいいですもんね。余計な警戒心を抱かせるだけなわけで。

【新谷】あるテレビ局の会長に「僕のことも書くの?」と聞かれたので「もちろんです」と答えたら、「君と付き合う意味はないね」と冷たく突き放されたこともありましたね。

新谷学『獲る・守る・稼ぐ 週刊文春「危機突破」リーダー論』(光文社)

——私はフリーランスですが、書く媒体として文春の名前を出すだけで、ここ数年、異様に警戒されるようになりました。そのときには顔に出さなくても、あとあと「最初、どんなことを書かれちゃうんだろうと思いました」と言われたり。

【新谷】本当は愛されるブランドでありたいんですけどね。近年の『週刊文春』は背負うべきではないものまで背負ってしまったようなところはありますね。権力の不正を暴くという、本来、大手新聞が背負うべきものまで期待されるような立場になってしまった。

正直、それは重いんです。結果的にそういう役割を果たしたとしても、われわれは「世の中を正すためにやる」みたいな感覚は極力、持たないようにしています。あくまで、世の中をおもしろがる精神を大事にしていきたいですね。

(聞き手・構成=ノンフィクションライター・中村計)
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