否定も迎合もしない「そうなんですね」がベター
この返答は、「私はすでに知ってましたよ」という意味のように感じさせてしまうことがあります。相手によっては、「なんだ、知ってたの?」「せっかく話したのに」と嫌な気持ちになる人もいます。もしこの相手が上司など、目上の方だったら怒られてしまいそうです。
ではこのようなとき、どんな相づちなら相手を不快にさせないのでしょうか。
おすすめは、
「そうなんですね!」
です。
一見、「そうですよね」と似ていますが、大きな違いがあります。「そうなんですね」は同意ではなく、相手の言葉をそのまま受けとめる言葉です。
より丁寧に返すなら、
「○○するといいんですね」
「初めて知りました」
「勉強になります」
などと伝えると、話した側も話をしたかいがあります。
他にも、相手が相談をしてくれたときは、「そうですよね」を使いたくなることがあるかもしれません。
同調してあげたい、寄り添いたいという気持ちが働くのは自然なことです。ただ「そうですよね」を乱用していると、聞き手が評価・ジャッジしているように聞こえる場合があります。
たとえば相手が、「AとBどちらにするか迷ったんですけど、Aの方が自分にはいいのかなと思って」と言ったのに対して、「そうですよね」と返したとします。
すると、立場によっては「なぜあなたがジャッジするの?」と思われることがあります。
「Aにしようと思うんですね」など、否定も迎合もしない相づちにするといいでしょう。「あなたの考えを理解しましたよ」ということが伝わる相づちは、相手も安心しやすいです。
深く考えずに同調すると危険なことも
また、深く考えずに「そうですよね」「そうだよね」と同調すると危険なこともあります。
たとえば会社の同僚が「C部長の発言って嫌がらせだよね」「ハラスメントだよね」と言ったことに対して、簡単に「そうだよね」と返すとどうなるでしょうか。
同意をしたとみなされ、「あの人もC部長を悪く言っていた」などと、話が一人歩きする可能性があります。
そのため、このようなときも、まずは相手の気持ちを受けとめるだけにしておくのが得策です。同意はせず、
「そんなことがあったんだね」
「つらいんだね」
といった相づちを打つといいでしょう。
とくに仕事関係では、「そうですよね」が思わぬトラブルを招く可能性があることを知っておくだけで、自分の身を守ることができます。
一見何気ない「そうですよね」という言葉ですが、使い方はよく考える必要があります。誤解を与える使い方をしていないか、今一度振り返ってみましょう。