「ワクチン接種後の死亡」をきちんと原因究明していない

私がここで問題にしたいのは、専門家会議がワクチンの接種を進めながら、相変わらず自粛、人流抑制などの旧来型の規制ばかりを訴え、病床逼迫への対策や市民生活の緩和などに対する建設的な提言をほとんど行っていないことだ。

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海外では、この問題に対するさまざまな研究が行われ、市民生活の緩和が行われている。ポルトガルでは、本当にコロナウイルスが怖い病気だったのかという検証のため、コロナで死んだとされた人の真の死因調査の研究が行われている。イスラエルのように3回目のワクチン接種に踏み切った国もある。そして、イギリスやシンガポールのようにほとんどの規制を緩和した国もある。

日本の「専門家」が、欧米より感染者も死者もはるかに少ないのに厳しい規制の勧告を行い続け、「1類」扱いをしているのは、それだけ人命が大切だと考えているからだとされてきたが、それにしてはお粗末な点がある。

実は、ワクチン接種後の死亡に対して、きちんと原因究明を行っているように思えないのだ。ワクチン接種でファイザーは4割、モデルナでは8割もの人が熱発している。それだけでなく7月30日現在、ワクチン接種後の死亡は900人を超えた(7月26日から30日の5日間だけで84人が亡くなっている。これは同じ時期のコロナ死者数より多い)が、一例としてワクチン接種との因果関係が否定できないという評価をしておらず(海外で問題になっている血小板減少がらみの出血死のケースですらそういう評価になっていない)、3例で因果関係が否定されているが、それ以外のすべてのケースが「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」とされている。

和田秀樹『これから怖い コロナの副作用!』(ビジネス社)

ワクチン分科会副反応検討部会が開かれるたびにこの数が増えている。「情報不足」ならもっと情報を集めるべきなのに、それをした形跡がないままに「因果関係が評価できない」死亡例が積みあがっている。

本当に人の命が大切なら、当然“ワクチン死”に対しても真剣に向き合い原因の究明をすべきだが、ろくに検討もせずに「因果関係が評価できない」で放置されているのは看過できない。20代の場合、2回接種をした人は現状まだ1割前後だが、すでに4人も亡くなっている。接種を拒む若い世代が多いのも無理はないのだ。

今回のワクチンにして、私はもともと欧米の人と体重も体格も違うのに同じ量でいいのか、という疑問を抱いていた。同じ意見の医師も少なくないが、それについて検討した形跡もない。