見かけは柔和そうだが「現政権の中でいちばん性格が悪い政治家」
今回の西村大臣の場合、発言そのものが共感を欠くだけでなく、普段の態度もEQ能力を欠くものであったため、マスコミの批判の餌食になったという可能性もある。
私自身、西村大臣の発言に関して、夕刊紙や週刊誌の政治家担当の記者から、灘校の同窓ということで取材を受けた。記者たちは西村大臣の言動に感じられる「上から目線」にかなりの反感を抱いているように思えた。
「現政権の中でいちばん性格が悪い」と言い切る者さえいた。
実は、私自身思い当たる節がある。灘校の先輩と後輩という関係のためか、一度、自民党の会報か何かのために対談を引き受けたことがあるのだ。
遅刻しても謝罪なし、相手に傲慢な印象を与えるだけ
依頼された仕事だったが、大臣は10分か15分ほど遅れて対談場所にやってきた。それについて詫びる、謝るということはしなかった。あくまでこちらの当時の印象だが、先輩に対する口の利き方でもなかった。
私も大人なので、対談はなごやかな雰囲気で終えたが、正直、不快感だけが残った。本人はそのつもりはなかったのだろうが、傲慢な印象を受けたのも確かだ。私に限らず、ほかの政治記者などにこのような態度を取っているのなら、嫌う人も増えるのはしかたない。
これまで一度週刊誌(週刊文春2013年7月4日号)でベトナムでの買春疑惑を報じられたものの、大きな失策や問題発言もなく、優等生の政治家だったが、一回の失言でこれだけひどい非難が生じ、あちこちのメディアから「待ってました」と言わんばかりに叩かれるのは、身から出た錆ということだろう。
コロナ禍で飲食店が倒産したり経営危機に陥ったりする中、金融機関に働きかけて圧力をかけるような荒っぽいやり方は、経済再生が職務の大臣がすべきではない。