打ち手バカ以上に多い「TASKバカ」

2大バカのもう一つは「TASKバカ」だ。TASKバカというのは、文字どおり、タスクから考えてしまう人たちを指す。TASKバカは打ち手バカ以上に多い。

例えば、「『考えるエンジンちゃんねる』の登録者数が1万人を達成するためには?」という課題があったとする。さきほどの打ち手バカであれば、どうなるかというと、「1万人目指しましょう、目指しましょう!

当然、YouTube広告、打ちましょう。文言は僕の知り合いにコピーライターがいるので、その人に頼んでみましょうか。そいつ、僕から頼めば、やってくれると思いますよ」という発言をする。

イメージがついてきただろうか? この課題に対して、TASKバカはどう考えるか?

「まず、何からやりますかね。Todoを整理していきましょう。それから期限もセットで決めちゃいましょう。あと、誰がやるか? も決めちゃいましょう。やっぱ、そこまで決めないとですよね」

これが、TASKバカだ。世の中にはこの2大バカが、蔓延している。素直な方は、「もしかして、打ち手バカになっているかも」「もしかして、TASKバカになっているかも」と不安になっているかもしれない。

重要なのは「どんな問いに答えるべきか?」を考えること

見分け方の1つは、会議室にある「ホワイトボード」に、何を書いて議論してきたか? でわかる。

打ち手バカのホワイトボードには「打ち手」のオンパレード。TASKバカのホワイトボードには「タスク、期限、責任者の名前」のオンパレード。身に覚えがあるはずだ。

話は逸れるが、こうやって自分がハマる罠に「キャッチーな名前」をつけると、行動を変えやすい。そうすると、思わず、口走るようになる。「おまえ、打ち手バカになってんぞ」とか「あー、やっちまった、気づかないうちに、TASKバカに」という風に。

タスクを考えることはもちろん重要だ。それがないと作業もできない。ダメなのは、タスクから考えてしまうこと。順番の問題なのだ。「どんな問いに答えるべきか?」を十二分に検討してから、「タスク」「スケジュール」「作業」に移ってほしい。

例えば、先ほどの「『考えるエンジンチャンネル』の登録者数1万人」の問いであれば、「そもそも『考えるエンジンチャンネル』とは何か?」や「なぜ登録者1万人に行かないのか?」など、問いを深掘りすることから始めるべきなのだ。

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次の日に会議に出てみると、「打ち手バカ」「TASKバカ」のあまりの多さに気づくだろう。みなさんの上司が「打ち手バカ」「TASKバカ」ではありませんように。

「打ち手バカ」=「課題」などを無視して、「打ち手」から考えてしまう
「TASKバカ」=「作業の羅列」「作業・期限・担当」と「タスク」から考えてしまう
「論点バカ」=「どの問いに答えるべきなの?」と「問い=論点」から考えられる

残念なことに、ほとんどの方が、「打ち手バカ」「TASKバカ」になってしまっている。どんな仕事にも「作業」「期限」があるわけだから、気持ちはわかる。だが、タスクを考える前に、一呼吸してほしい。それこそ、15分でもいい。