打ち合わせで書記を買って出る
会議で発言するのが苦手な人は、書記をやることをお勧めする。手元のやノートなどではなく、ホワイトボードがあれば目一杯使おう。
皆の意見をそこに可視化するだけでも、十分チームの役に立つことができる。議論が硬直したら、そこで自分の意見も織り交ぜていけばいい。ホワイトボードの横に立っていれば、ちょっとした思いつきもその場で言いやすくなる。
自分が発言をする余地がなさそうな打ち合わせほど、ホワイトボードに議論をまとめる人が必要だ。なぜなら先輩たちは自分たちの議論を戦わせることに頭がいっぱいになっているからである。皆の意見を客観的に可視化できる人は、これまで意見を求められなかったあなたしかいないかもしれない。
オンライン会議だったら、会議で何が議論され、何が決まって、次のステップは何かをまとめた簡単な議事録をつくって、参加者に共有するのでもいい。
打ち合わせが終わった後に、これをすべて把握できている人は意外と少ないうえに、参加者全員の認識も揃っていない。
皆の意見をまとめて共有するだけでも、十分にチームの役に立てる。何より、会議の質を上げることに貢献しようという姿勢が、周りの人の目にはポジティブに映るだろう。大事なのは能力よりも姿勢なのだ。
勝手に自分をプロジェクトリーダーと思い込む
先輩や上司に仕事を頼まれたとき、自分は雑用だから仕方ないなどとぶつぶつ言いながら、その仕事を渋々やっていることはないだろうか。特に若手のときは、先輩たちがやらない「誰でもできる作業」をお願いされる機会が多くある。
そもそも、この世に「雑用」という仕事は存在しない。用を雑に済ますことでその仕事は「雑用」になる。打ち合わせのセッティング、資料のデータの取りまとめ、出力やホッチキス止め……これらは雑用に見えるかもしれない。
しかしそこで先輩たちは、「誰でもできると思える仕事をきちんとこなせるかどうか」を見ているのだ。
このようなとき僕は自分自身を「雑用係」ではなく、仕事全体の「プロジェクトリーダー」だと(勝手に)思いこむことにしている。思い込むのは自由である。
そうするとこれまで「誰かにやらされていた雑用」に見えていたものが「自分がプロジェクトを成功させるために必要なプロセスやコンディション」に見えるようになったのだ。
打ち合わせの場所、資料のタイトルや順番、ホッチキスの向きのすべてが、仕事を成功させるために必要なコンディションだった。
プロジェクトリーダーでもないのに自称していいんだろうかと思ったあなた。大丈夫。この世に雑用という仕事がないのと同じように、あなたは「雑用係」ではない。