スギ無垢材の部屋だと「深い眠り」が20分以上も長くなる

自然の“香り”が漂う「自然素材のスギ無垢材」の部屋に泊まった学生は「ノンレム睡眠(深い眠り)」の時間が他の部屋の人と比べて、平均して20分以上も長いことがわかった(図)。

さらに翌日の「作業成績」も、「自然素材のスギ無垢材」の部屋で眠ったほうが結果がよかったのだ。

慶應義塾大学の伊香賀俊治教授

「偏差値に置き換えると、『床のみ木目柄ビニール』が45.7、『自然素材のスギ無垢材』が54.8で、およそ“9の差”がつきました」(伊香賀教授)

最近はビニールクロスの上から自然素材の壁紙を張るタイプもある。手先が器用な人なら自分でやってみてもいいかもしれない。

自然素材ではないが、空気を快適にするエコカラットという商品もある。湿度を調節、脱臭、空気中に漂う有害物質を吸着したりする壁で、オンラインで自分の好きなデザインを選び既存の壁に張るタイプもある(効果を発揮する目安として、エコカラットの場合はその空間の床面積の4分の1以上の壁面積に施工することを推奨している)。そのような商品はほかにも数多くあるが、JIS(日本産業規格)などで定められた基準を満たしているものを選ぶと安心だろう。

「畳の教室」のほうが、より多くの問題を解答できた

室内に「置き畳」を取り入れるのも調湿作用があり、勉強効率へのよい影響が期待できる。い草・畳の効能を研究して20年の北九州市立大学の森田洋教授によると、「畳1畳で500ミリリットルの水分を吸収したり、放出する力がある」という。

北九州市立大学の森田洋教授

「畳の主材料であるい草は、湿気が多い時期は水分を吸収し、冬の空気が乾燥している時には水分を放ちます」

畳を敷いた和室と、通常の洋室の湿度を比較した研究では、畳の部屋のほうが雨の降った後も湿度変化が少ない。

また、森田教授が小中学生を対象に、学習塾で畳を敷いた教室と、フローリング教室での勉強効率に差が出るかという研究を行うと、畳の教室で問題を解いたほうが、同じ精度でより多くの問題を解答できたのだった。勉強後の子供たちの「疲れ」も、畳の部屋のほうが感じにくいことがわかっている。

「畳の香り、い草に含まれるバニリンがリラックス効果をもたらしていると考えられます。これは菓子を作る時に数滴たらすバニラエッセンスに含まれる成分なんですよ」(森田教授)

メリハリのつきにくいテレワークでは、例えば机に向かう“オンの場所”と、置き畳やゴザを取り入れたスペースで“オフの場所”を同じ部屋の中につくるというやり方もいいだろう。