「コロナ病床 逼迫回避へ総力を挙げる時だ」と読売社説

4月7日付の読売新聞の社説も「コロナ病床 逼迫回避へ総力を挙げる時だ」との見出しを付けて病床の確保を訴え、書き出しでは「変異ウイルスの拡大に備え、患者を受け入れる病床を早急に増やさねばならない。都道府県知事が主導し、医療機関に強く働きかけるべきだ」と主張し、次のように指摘する。

「初の緊急事態宣言から7日で1年を迎えるが、医療体制の脆弱さは一向に改善されていない」
「医療法は、都道府県が医療計画を策定すると定めている。地域の実情に応じて必要な病床を確保するのは、知事の責務である」

確かに病床が逼迫する原因の1つには、知事の指導力不足がある。隣接し合う自治体同士が足りないところを補い合いながら協力することも欠かせない。

医師会がもっと強く傘下の診療所に協力を求めるべきだ

読売社説は「厚労省は3月下旬、病床確保計画の見直しを都道府県に要請した」と書き、次のように訴える。

「拠点となる病院が重症者の治療に専念できるよう、医療機関の役割分担を徹底することが急務だ。回復した患者のリハビリや療養を担う後方支援病院をもっと増やし、円滑な転院を促したい」
「都道府県は、積極的に病院間の調整を進め、入退院の目詰まりを解消することが肝要である」

読売社説が主張するように「病院の役割分担」「後方支援病院の増設」「症状が良くなった患者の転院」によって重症患者の病床を確保し、新型コロナの犠牲者を減らしたい。

そのためにも医師会がもっと強く傘下のクリニックや診療所に協力を求め、病床の提供と医師や看護師の新型コロナ拠点病院への派遣を押し進めるべきである。

その点について読売社説もこう指摘する。

「多くの病院や医師会に協力を求め、着実に体制を整えることが重要だ」
「都道府県がコロナ向けに確保した病床は約3万床で、依然として既存病床の約3%にとどまっている。その背景には、民間病院の多さや医療従事者の偏在といった構造的な課題があろう」

病床が逼迫して患者が適切な治療を受けられなくなると、重症患者が増え、過酷な生体肺移植を受けなければ、生命を維持できない患者も出てくる。そうならないためにも早期に医療の態勢を整えるべきだ。

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