日本人男性を縛る社会の“呪い”
ただ、これは男性だけが気合いを入れればどうにかなる問題ではありません。多くの女性がジェンダーギャップで悩んでいるように、私たち男性もまた「男らしくあれ」という社会からの謎のプレッシャーに悩んでいます。
内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」と考えている男性は、未だに約40%もいます。女性ですら、約30%にも達します。
昨今、男女の出会いの場として定着しつつあるマッチングアプリでは、女性は男性をまず年収でフィルタリングすることが明らかになっています。結婚したくて果敢にアプリに挑むも、まともにマッチングすらされず涙を流した非正規雇用の友人は数知れず。いったい何度、赤提灯で「どーせ俺なんて……」という切ない愚痴を聞いたことか(一方、男は男で、女性を年齢でフィルタリングするという愚行を続けているわけですが)。
正社員でそこそこ稼がないと結婚できない残酷なリアル
社会の建前は「男女平等」でも、市場は人の本音をこれでもかというくらい引っ張り出します。男たるもの、正社員でそこそこ稼いでないと、結婚相手として女性に認知すらされないという、あまりに残酷なリアル。かくいう私も、もし現在の妻と出会っていなかったら、確実に恋愛市場から排除されていたことでしょう。なにせ妻と出会った時、貯金ゼロで無職という、明日をも知れない30歳でしたから。
その結果、男たちはこう考えます。家庭を持って子どもを育てるには、正社員になってバリバリ働いて出世して、お給料をたくさん稼がねばならない、と。そして結婚してからも、家族のため、子どものため、そう信じて朝から晩まで歯を食いしばって働いている男たちのなんと多いことか。