バイデン政権も軍事費増額を呼びかけている

軍の動きも変化している。特殊部隊と言えば、2011年のウサーマ・ビン・ラーディン殺害作戦のように、対テロ戦争を象徴するような役割を担ってきた。

しかし、今年2月から3月にかけて実施された米空軍の特殊作戦コマンド(AFSOC)の演習“エメラルドウォーリア21”では大きな変化が見られた。

これは毎年行われていた演習ではあるが、それまで対テロ作戦に重きを向いていたものが、大国間紛争を意識し、宇宙やサイバー領域、情報作戦を含むものに変化している。

変化が起きているのは米国だけではない。

トランプ前政権は北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、国防費をGDP比2%以上にするよう要求していたが、2020年にこれを達成したNATO加盟国は2カ国増えて11カ国となるなど、国防費増額には国際的な圧力も働いている。

そして、この方針はバイデン政権も踏襲しており、今後も変わらずに進むだろう。

軍事費の増大傾向は今後も続いていく

米国が同盟国に国防費増を呼びかけていることからも分かるように、国防費は一国にとどまらない問題となっており、コロナ禍にあっても世界の軍事費が増大し続けるのはこういった要因もある。

そして、この増大トレンドは日本もひとごとではない。2012年以降、日本の防衛費は年平均して1%程度の増大とはいえ、右肩上がりの状況にある。

中国の軍事費増大という要因に加え、米国とその同盟国の軍事費増はまだその途上にある。日本も含め、今後も世界の軍事費は増大傾向が続くと考えられる。

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