「日本では十分な人材を確保できない」

LINEは、中国の企業に業務委託した理由について「日本では十分な人材を確保できない」と説明した。実際、IT企業の多くが海外に業務を委託しているといわれる。

KDDIは、電話番号など個人情報の一部を、業務委託先の米国企業を通じて香港にあるサーバーで保管している。もっとも中国の国家情報法の対象になるかどうかは不明だ。ソフトバンクも、中国の子会社でコールセンター業務の一部を行っているという。

LINEと楽天という「日の丸プラットフォーム」の二強が、時を同じくして個人情報の「海外流出リスク」でつまずいたのは単なる偶然かもしれないが、いずれもGAFAを追いかけようと走りだしたタイミングだけに、日本のIT産業界全体に痛みが走る。

だが、何よりも前に、利用者の信頼を得られないようではナショナルフラッグたり得ない。きちんとした対応と説明が不可避だろう。

関連記事
「この3年で700万部減」巨大IT企業の"使用料"に期待する日本の新聞社の苦境
元海自特殊部隊員が語る「中国が尖閣諸島に手を出せない理由」
「日本人なら中国人の3分の1で済む」アニメ制作で進む"日中逆転"の深刻さ
「選挙に行っても、世の中変わらない」中国人が独裁政治を受け入れる本当の理由
「日本人は土地を手放してはいけない」中国マネーに蹂躙された香港の末路