戦後も、ミッドウェー海戦の敗北については「暗号解読の謎」が日本側で議論されていました。しかし米国人デイヴィット・カーンの書籍『暗号戦争』(1968年)で暗号解読の経緯が描かれ、この論争は終了しています。

また『提督スプルーアンス』には、ミッドウェー海戦で最大の貢献をした一人、スプルーアンスが、大戦の前に行われた米海軍大学校の大改革で、最も成長した人物の一人であることが描かれています。

ミッドウェーと、37年前の日本海海戦を結ぶ線

さらに、この米海軍大学校の改革を提唱した人物は、日露戦争における日本海海戦(1905年5月)の指揮官、秋山真之を指導したこともある米海軍の研究者アルフレッド・マハンでした。

ミッドウェー海戦の敗北は、不思議な線で、40年前の(日本が勝利した)日本海海戦ともつながっているのです。

そして、ミッドウェー海戦の分析が、日本人の戦略思考の過去の限界と未知の可能性を解明すると言ったら、皆さんは驚くでしょうか?

少し詳しい方なら、ミッドウェー海戦以前の日本海軍が連戦連勝だったことをご存じでしょう。

ではなぜ1942年の6月から、勝者が米軍に入れ替わり、その後は日本側が逆転できなかったのか。

この考察は、日本と日本人が1942年6月の太平洋に置き忘れてきた「パズルのピース」を発見することでもあるのです。