お中元とお歳暮は神や先祖へのお供え物
7月と12月は、お中元とお歳暮の季節。これらは日頃お世話になっている人に、感謝の気持ちを込めて贈るものですが、お中元の由来は中国の旧暦です。つまり旧暦は1年間に3区分(上元<1月15日>・中元<7月15日>・下元<10月15日>)あり、中元の日に神にお供え物をすると罪が許されるという話からきています。またお歳暮は、日本古来の風習「歳暮の礼」にあり、新年に先祖の霊を迎えるため、本家にお供え物を贈ったといういわれがあります。
なお、お中元とお歳暮は祝い事ではないので、贈り手・受け手のどちらが喪中でも関係なく贈れます。ただし相手が公務員の場合は気をつけましょう。相手が国家公務員の場合、国家公務員倫理法により、利害関係者(許認可の相手や公共事業の入札がからむ事業者、契約相手など)からのお中元・お歳暮は禁止されているからです。なお同法では、香典やご祝儀、飲食の接待、ゴルフや旅行の接待も禁止しています。
ちなみに地方公務員には具体的に禁止する法律はありませんが、その地方の条例で、禁止規定がある場合がほとんどです。さらに国や地方の議員がお中元やお歳暮を贈ることは、票を買う「寄附行為」として、公職選挙法で禁止されています。同じ理由で、議員が結婚式でご祝儀を渡すことやお葬式で香典を渡すことも、寄附行為に当たります。
秋に人事異動や転職が多い理由
9月、10月に案外多いのが、人事異動と転職です。年度末に多いイメージですが、実はこの時期もかなり多い。なぜなら3月決算が多い日本の企業にとって、9月は下半期スタートの時期。上半期に対する反省から事業計画の見直しなどが行われ、それに伴う人事異動や転職、ヘッドハンティングなどが増加するのです。
私が勤めている予備校の場合、講師は普段から無茶な使われ方(私は毎週大阪と名古屋に通っています)をしていますが、年度途中の人事異動はありません。なぜなら私たちは、生徒というお客様に選んでいただく商品のため、年度途中で急に陳列棚からなくなることは許されないからです。それどころか、もしもつまらない授業などしたら、逆にお客様のほうが別の商品へと“移動”し、私の教室から人がいなくなってしまいます。
その一方、同じ予備校でも、職員の方の人事異動は相当エグイです。おそらく各校舎の1学期の集客状況を見て、夏期講習の間に2学期にテコ入れする校舎などを決めるせいでしょうが、とにかく急です。「お前、再来週から札幌な」みたいな感じで。家庭への配慮など一切なしです。
このように年度途中の異動がない予備校講師ですが、新年度に合わせた他の予備校からの移籍は頻繁にあります。私たちは1年単位の契約ですから、条件次第で引き抜かれることもあるのです。
ただし新しい環境にうまくはまらず、苦労している方も多いようです。私の勤める予備校から別の予備校に移籍した一人と以前、飲みに行ったとき、彼はこう言っていました。
「移籍をうまくやるコツは、“移籍前に仲間に言わない・求めすぎない・転職先に夢を見ない”だ。俺はこれを全部やって失敗した」
なるほど。どうやら彼は、交渉段階で報酬を求めすぎて、前の職場に煙たがられたのに、移籍決定前に同僚に話したせいで、前の職場にも残りづらくなり、仕方なく移籍したものの自分のキャラが現職場と合わず、苦労しているようです。
しかし彼が挙げた移籍のコツは、講師のような特殊な仕事のみならず、すべての転職についていえることではないでしょうか。お互い気をつけましょうね。
12月28日は仕事納めの日と決まっている?
仕事納めというと、なぜ「12月28日」がパッと浮かぶのか? それは、公務員のイメージが強いからです。実は公務員の仕事納め(公務員の場合は「御用納め」といいます)は12月28日と、法律ではっきり決められています。1988年に「行政機関の休日に関する法律」なるものが制定されていて、そこには確かに「年末年始の休日は、12月29日から1月3日までとする」と書かれていました。
予備校講師である私からしたら、すごくうらやましい。なぜなら私たちにとって、その時期は年末年始ではなく「共通テスト直前」。休んでいる暇なんかありません。ああ、一度でいいから、コタツでゴロゴロしながら箱根駅伝を見たいものです。