ジェンダーギャップ指数の日本のランクは相当悪い、121位だ、ということまでは多くの人が知るところです。では、121位とはどんなレベルなのか、調べたことがある人はいるでしょうか。ニッセイ基礎研究所の天野馨南子さんがデータを基に解説します――。
今日の女性のリーダーシップ
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ジェンダーギャップ指数「日本のレベル観」をイメージできるか

読者の皆さんは「世界経済フォーラム」(WEF:World Economic Forum)という国際機関の存在をご存じでしょうか。経済学者クラウス・シュワブ氏によって1971年に設立されたスイスに本部を置く国際機関(非営利財団)で、2021年でちょうど設立50年を迎えます。

この組織のミッションは「世界の現状の改善にむかって取り組む」となっており、最高意思決定機関には国連やIMFなどのトップ層や王族などが名を連ねています。

これまで日本ではそこまで大きく取り上げられてこなかったことが非常に不思議ですが、この世界経済フォーラムから、世界各国の男女格差の現状と改善レベル感についてのレポート「Global Gender Gap Report」(GGGR:世界ジェンダーギャップレポート)が毎年発表されています。

英語でレポートがWEB公開されてはいるのですが、国際的に見てあまり英語が得意とは言えない日本だからなのか、経済分野の人であってもGGGRについて初耳だという人もいまだ少なくない印象を受けます。

「そんなの知ってるよ。また順位が下がったんだろう?」という方であればそこそこいるとは思うのですが、その順位が示す「ニッポンのレベル観」を端的にイメージしている方はあまりいません。

そこで今回は、この世界ジェンダーギャップレポート2020に書かれている日本の世界から見た男女格差のレベル感を「日本と同等の評価をされている国々」という視点から解説してみたいと思います。