また、配達人はここ10年以内に、その求人数が激減する仕事だと考えられています。現在よりもさらに多くの郵便物がデジタル化されるので、手紙の配達需要は減ります。
さらに、配達人の強敵はドローンです。受取人の住所さえ入力すれば、自動的に荷物を配送してくれるので、わざわざ人が届ける必要がありません。
ドローンによる配達は、すでに実用化されています。例えば2021年にはカリフォルニアのスタートアップであるZiplineがナイジェリアやルワンダの僻地にコロナウイルスのワクチンをドローンで配送しています。
コンサル会社のレポートではなく、学術研究を参考に
『The Jobs Rated Almanac: The Best Jobs and How to Get Them』(iFocus Books)のような定点観測をしている調査以外に参考にすべきなのが、多数のデータを収集して、仕事の需給や未来を予測している学術研究です。
学術研究を薦めるのには理由があります。まず、学術研究というのは、質の良い調査であれば、データの質や分析モデルを詳しく検証するので、答えありきの内容にはなっていないからです。
一般向けの書籍やビジネスコンサルティング会社が出すようなレポートは、売ってナンボなので、最初から読者が喜ぶような答えに沿ってデータをいじっていたり、そもそも、きちんとしたデータさえ使っていなかったりします。
また、売れてナンボですから、読者を扇動するような、センセーショナルな内容が書かれているため、読んで面白いかもしれませんが、その正確性や信頼性には疑問符がつきます。
学術研究の結果のほとんどは、学術論文として学会誌に掲載されるので、一般書店に並ぶことはありません。論文を読むには、学会誌を購読したり、大学図書館で読む、商用データベースで検索して読む、論文をネットで購入するという方法があります。興味のある方は、ネットで検索して普段からいろいろ読んでみるといいでしょう。