動脈硬化の原因物質を測定して将来の発症リスクを予測

LOX-index®は動脈硬化の原因物質を測定して脳梗塞・心筋梗塞のリスクを4段階で判定する血液検査。血中の酸化変性した超悪玉コレステロール「LAB」と、それと結合して動脈硬化を進行させる「sLOX-1」という2つの物質を測定することで、これまでの血液検査や画像検査でわからなかった動脈硬化の初期段階をとらえることができるという。

採血で調べられるため身体的な負担はほとんどなく、2週間ほどで詳しい検査報告書が渡された。気になる結果は……。

血管炎症の指標となるsLOX-1の値は「理想的な状態」、酸化したLDLコレステロールの値であるLABは「理想的な値まであと一歩の状態」という結果だった。この2つの値から、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクは「低」の判定だった。LDLコレステロールの値が高い状態が続いていたので不安だったが、今のところ動脈硬化の心配はなさそうで安心した。

LOX-index®の数値が高い人は、低い人に比べると脳梗塞発症率は約3倍、心筋梗塞発症率は約2倍になることがわかっているという(※)

※参考:LOX-index, a Novel Predictive Biochemical Marker for Coronary Heart Disease and Stroke, Clinical Chemistry 56:4 550-558(2010)

「これまで把握しにくかった動脈硬化の状態を採血だけで手軽に調べられるので、LOX-index®は体の動脈硬化の状態を把握できるバイオメーカーになりうる可能性がある」と恩田医師は話す。

同検査を人間ドックや健康診断のオプションとして採用している医療機関も増えているといい、筆者が受診した恩田メディカルプラザでは1万2000円(オプション検査の場合の価格)だった。

今回の結果ではリスクは「低」だったものの、LAB(サビついたLDLコレステロールの値)が「理想的な状態まではあと一歩」だったので、バランスのいい食事を心がけようと気持ちを新たにできた。自分の動脈硬化の状態を深掘りする、いいきっかけとなった。