例年、11月ごろから感染者数が増えるインフルエンザに加え、新型コロナウイルスの感染も心配される今年の冬。大阪大学寄附講座の森下竜一教授によると、口腔環境を整えることが感染症予防のカギになるという。その理由や効果を解説するとともに、口腔環境を整える方法を歯学博士の若林健史先生にうかがった。
患者の歯を診察する笑顔の歯科医
写真=iStock.com/AleksandarGeorgiev
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新型コロナやインフルエンザ対策には、免疫力の見直しを

ここ数カ月、再び感染者数が増加し続けている新型コロナウイルス。感染を予防するには、免疫力を高めることが大切と森下教授は語る。

「新型コロナウイルスの感染予防として、マスクの着用や手洗い、うがい、定期的な換気といった個人でできる対策はある程度実行され、日常生活に浸透しています。しかし、新型コロナのほか、インフルエンザなどさまざまなウイルス感染症への対策が求められる冬に向けて、改めて感染予防として免疫力を見直し、自衛していく必要性が高まっています」

免疫力を上げるには腸内環境を整えることが重要だが、これはすでに実行している人も多い。実際に、ヨーグルトや納豆、みそといった発酵食品の家計消費金額は、昨年に比べ大きく伸びている(図表1)。

出典=家計調査 「二人以上世帯」の1世帯当たりの家計支出金額(総務省:2020年10月発表)
出典=家計調査 「二人以上世帯」の1世帯当たりの家計支出金額(総務省:2020年10月発表)