ただの頭痛とがまんしないで。それは“脳の病気”です

頭が痛くて仕事が手につかない、発作のような頭痛に襲われ、出社できそうにない……そんなとき、とりあえず鎮痛薬を服用し、痛みが治まるまでじっと待つという人も多いだろう。働く女性に意外と多い「頭痛」の原因から対処法までを、神経内科専門医の坂井文彦先生に伺った。

頭痛を持つ若い女性。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

「一般的に、くも膜下出血や髄膜炎、脳腫瘍といった重篤な病気に起因する頭痛(二次性頭痛)には、こわいイメージがありますが、慢性頭痛に対しては『ただの頭痛』と思いがち。頭痛持ちの人は、どんなにツラくても『こんな痛みは病気じゃない』と1人でがまんする傾向にあり、結果、生活や仕事の質の低下を招いてしまうことに。実は、慢性頭痛は“頭の痛みそのものが病気”なのです」

頭部のケガ、脳血管障害などの脳の病気に起因しない「一次性頭痛(慢性頭痛)」の中でも、三大慢性頭痛と呼ばれる片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛は、専門科での適切な診断と治療、緩和指導が生活や仕事の質の改善につながる。

「こわいイメージの頭痛ならすぐに受診するでしょうが、がまんすれば治まる頭痛に関しては、積極的に受診しない人が大多数。頭痛に悩む人は、自分の頭痛の状況を記録する『頭痛日記』をつけることからはじめてもいいでしょう」