慶應義塾大学医学部の井上浩義先生によると、ピーナッツにはさまざまな健康効果が認められており、積極的に食事に取り入れることで、肥満や生活習慣病、感染症の予防に役立つという。そこで、ピーナッツのもつ健康効果について解説するとともに、料理研究家の浜内千波先生が考案した、ピーナッツバターを使った朝食レシピをご紹介。
スプーンでピーナッツクリームを食べる女性
写真=iStock.com/gradyreese
※写真はイメージです

肥満防止や腸の健康をサポートするピーナッツ

ピーナッツの健康効果が世界的に注目されたのは、2002年にアメリカのハーバード大学で行われた、ピーナッツとBMIとの関係を調べた研究だ。その結果、ピーナッツやナッツを1週間に1度も食べない人と、週5回以上食べる人では、BMI値が1.4も違うことがわかった。(図表1)これは身長170cmの人で、体重が4kgも違うことになる。つまり、ピーナッツを毎日食べることが、肥満防止につながるのだ。

ピーナッツ・ナッツを食べる頻度とBMIとの関連

また、ピーナッツは食物繊維の宝庫であり、ゴボウと比較すると2倍以上、ニンジン、サトイモなどほかの根菜類よりも多くの不溶性食物繊維が含まれている。

実は日本人の食物繊維の摂取量は世界最低レベル。世界の多くの国では、食物繊維の1日の摂取量が20~80gであるのに対し、日本人の1日の摂取量は15g以下しかない。また、ある研究結果では、食物繊維をもっとも摂っている女性に比べて、もっとも摂っていない女性は大腸がんのリスクが2.3倍も増えることがわかっている。しかも、これは女性のみに当てはまること。女性はもともと便秘になりがちなので、日ごろから食物繊維を意識して摂り、腸を健康に保つことが大切といえる。