数年で5兆円規模に成功する有望な市場

ジーユーのプレス担当者によると、フェムケア市場への参入は「より快適に過ごせるインナーや、買いやすいサニタリー商品があったらいいのに」といった女性からの声が多かったことがきっかけだといいます。

GU BODY LABから生まれた商品。(写真提供=GU)

3月、同社が発売したのは、吸水機能が付いたショーツ(「トリプルガードショーツ」)やナイトブラ、補正下着など全9品目。

これらは、「女性の健康をサポートする」を目的とするプロジェクト(「GU BODY LAB(ジーユー ボディ ラボ)」)の商品として生まれました。

フェムテックやフェムケアの関連市場は、世界的にも成長が見込まれています。アメリカの調査会社の予測によると、2025年までに、なんと5兆円もの規模になると言われるほどです(18年「Frost&Sullivan」調べ)。

「ただ私たちは、ファッションブランドとして常に『女性にもっと貢献できることがないか』と考えており、そのことも参入理由でした」とジーユー、プレス担当者は言います。

従来の商品は不満点が多かった

トリプルガードショーツの魅力は、男性にはピンとこないかもしれません。何といっても、普段使いとしてもサニタリー用(生理期間用)としても使える点、そしてそれが手ごろな価格(1490円)で手に入る点が画期的です。

以前から「両用」をうたうショーツはありました。ですが、得てしてレース部分が肌に食い込んでしまったり、サイドやバック部分から経血が漏れてしまったり、といった商品も少なからずあった。

逆に、食い込みや漏れを防ごうとする商品は、お腹からお尻までがっちりガードしすぎて、デザインが野暮ったかったり、1点4000円以上など高価だったりする傾向に。普段使いで履くと「汗をかいて蒸れやすい」など欠点もありました。

「ならば両用でなく、普段用とサニタリー用と、分けて使えばいい」と思う男性も多いでしょう。確かに多くの女性は、そうしているはずですが……、女性の生理周期は、毎月一定とは限りません。ここに「使い分け」の難しさがあります。

たとえば「まだ(生理が)来ないだろう」と思って、油断して普段使いのショーツを履いているとき、突然来てしまうこともある。あるいは、「もう終わるだろう」とサニタリー用から普段用に切り替えたときに限って、「まだ終わってなかった!」と下着を汚してしまうこともある。

それだけに、普段も生理期間も「両用」で使えて、さらに「漏れない、蒸れない、におわない」が期待できる廉価なショーツは、女性の強い味方と言えるのです。