店頭でもウェブサイトでもで品切れが続出
先のトリプルガードショーツは、まさに企業が魅力的な商品やサービスを提示したことで、それまで我慢していた女性たちの間で「買いたい」との欲求を喚起した。同ショーツはあまりの人気に、一時期店頭やウェブサイトで「品切れ」が続出するほどだったといいます。
ただしもう一つ、忘れてはいけないのが、ウォンツとその先の「Demands(デマンド/需要)」との間に、販売価格、いわゆる「予算の壁」が存在するということです。
皆さんもそうですよね。どんなに魅力的で欲しいと思う商品でも、価格が高すぎれば、諦めざるを得ない。逆に手に取りやすい価格なら、多くの顧客が「買ってみよう」と手を伸ばします。そのことが、市場拡大にもつながるわけです。
ジーユーはこれまで、まさに「手頃な価格」を売りにしてきたブランド。だからこそ今回、ジーユーがフェムケア市場に参入したことに、大きな意義があります。
なぜなら、これまで体の悩みについて、声を上げにくかった女性たちが、続々と「そうそう、こういうのが欲しかったの」と手に取ってくれるから。それによって、市場や社会で女性たちの「言いにくい」悩みが、一気に顕在化するからです。
今後熱いのは団塊ジュニアの更年期市場
さらに、ジーユーのプレス担当者によると「GUのフェムケア市場への取り組みは、決して若い女性に限定したものではない」とのこと。
日本で二番目に人口が多い「団塊ジュニア(現45~50歳)」も、そろそろ更年期に差し掛かってきました。おそらくここも、見過ごせないターゲットでしょう。
ジーユーやオムロン ヘルスケア以外にも、「ルナルナ」(エムティーアイ/月経)や「たまひよ」(ベネッセコーポレーション/妊娠・産後ケア)、「妊活ボイス」(CURUCURU/妊活)、「わたし漢方」(同/ウェルネス)、「ラブコスメ」(ナチュラルプランツ/セクシャルウェルネス)をはじめ、国内ですでに約100社もの企業が、フェムテックやフェムケアマーケットに参入していると言われます(20年12月現在/「fermata(フェルマータ)」調べ)。同市場は今後、かなりのスピードでヒートアップしそうです。