「人権弾圧を進め、領土拡張を図る中国の強権ぶり」と産経社説
3月10日付の産経新聞の社説(主張)は王毅国務委員兼外相が全人代の開催に合わせて行った記者会見を取り上げ、「王氏は、新疆ウイグル自治区でのウイグル人弾圧に対し米国などが『ジェノサイド(民族大量虐殺)』と批判していることを『徹底したでたらめで完全に下心があるデマだ』と断じた。台湾、香港、南シナ海問題などを含め中国の『核心的利益』を断固擁護する姿勢を示した」と指摘したうえで、次のように訴える。
「国際社会の理解を得られぬ強弁である。強気をみせようとすればするほど、習政権が国際社会との間にどれだけ多くの対立の火種を抱えているかが浮き彫りになる。これらの地域・海域で起きていることは、人権弾圧を進め、領土拡張を図る中国の強権ぶりを露骨に示すものばかりだ」
産経社説は習近平政権の正体を見抜いている。習近平氏がこの産経社説を読んだら、あの冷静な表情を大きく歪め、怒りをあらわにすることだろう。
国際社会に背く中国は東京五輪の不参加を表明すべき
産経社説はさらに指摘する。
「王氏は東京五輪と来年の北京冬季五輪を挙げ『中日両国民の友好感情を深め、中日関係の発展を促す機会にできる』としたが、日本国民の対中感情の改善を期待する方が無理である」
この際、国際社会に背く中国は東京五輪の不参加を表明すべきだ。日本だけでなく、多くの国の人々がそう思っている、と沙鴎一歩は思う。
さらに産経社説は「3期目を狙う習氏の正念場となる党大会の開催は来秋だ。安定が最も求められるこれからの時期、党内向けに強気をアピールする必要はあっても海外勢力との決定的対立は避けなければならない。王氏会見から垣間見えるのはこうした習政権の苦しい事情である」と解説し、最後にこう主張する。
「日本は、民主主義などの価値を共有する米国、オーストラリア、インド、欧州などと連携を強め、対中圧力をかけ続けるべきだ。非を改めるのは中国の方である」
まさしく中国の一連の行動は逸脱している。国際社会が中国に非を改めさせるべきである。