ハイブランドチョコを1000円前後で展開するセブン

「弊社のバレンタインのチョコは幅広い年齢層の女性のお客さまに人気が高く、近年は、贈答用の需要も根強くありますが、自分用の商品の販売が伸長しています」(セブン‐イレブン、以下セブン)

昨今のバレンタインシーズンは、百貨店などが企画し、有名専門店が一堂に会するチョコイベントが人気だ。「おいしいチョコを食べたい」だけでなく「スペシャルなチョコを手に入れ、SNSにアップしてみんなに見てもらう」のも、多くの女性にとってバレンタインデーの楽しみ方のひとつになっている。

「今年は、バレンタインイベントの気分をセブン‐イレブンでも楽しんでいただきたいと、人気専門店のブランドチョコをそろえました」(同)

グテbyセバスチャン・ブイエ「フリュイショコラ」(1080円・税込み・以下同)やDari K「シトラスカカオチョコレート」(864円)、テオブロマコレクション「ショコラ7個」(1080円)など、ブランドチョコをここまで拡充したラインアップは初の試みだ。中でも「フリュイショコラ」は、「セバスチャン・ブイエさまと一緒に取り組み、フルーツの輪切りを忠実に再現しようと試行錯誤した」、思い入れの強い商品だという。

こうした人気シェフ監修の本格チョコが、ひとつ1000円前後。スケールメリットのあるコンビニならではと言っていいだろう。

画像提供=セブン‐イレブン・ジャパン
「フリュイショコラ」(1080円・税込み)。果汁やピューレが入って、フルーツの味わいも楽しめる

ファミマが発売した、シェフ監修の「手作りキット」

ファミリーマート(以下ファミマ)のラインアップは、昨年より“ファミリー感=家族で楽しめるチョコ”が増えたのが特徴。ケンズカフェ東京とコラボした限定ギフトや、ルビーチョコを使った「ロッテ アーモンドルビーチョコ」(598円)、「不二家 ハートチョコレートピーナッツBOX」(162円)など、100円台~1000円台の幅広い商品がそろう。

中でも、ケンズカフェ東京・氏家健治シェフ監修の「おうちで楽しむ手づくりキット」シリーズに注目したい。多忙な客が多く「すぐ食べられる」商品をそろえるコンビニが、手作りする商品を出すのは珍しいからだ。発売した理由をファミマに尋ねると「ステイホーム期間でも、ご自宅でバレンタインを楽しんでいただきたい。そんなコンセプトで考えました」という。

試しに「濃厚ガトーショコラ」を作ってみた。無塩バターと卵、牛乳の用意は必要だが、箱の中にクーベルチュールチョコレートやグラニュー糖、ガトーショコラミックス、紙製焼き型まで入っているので、あれこれ迷わず気軽に作ることができる。焼き上がりに食べるのを我慢して、少し冷ますとしっとり濃厚なガトーショコラが出来上がった。所要時間は約40分。巣ごもり時間を家族で楽しむ“過ごし方提案チョコ”としてニーズがありそうだ。

画像提供=ファミリーマート
「おうちで楽しむ 濃厚ガトーショコラ 手づくりキット」(1200円)(左)、キットの中身(右)。ほかに2色のチョコポップや本格チョコチャンククッキーもある