チョコで「感謝を伝える」。しかし、その胸の内は――

バレンタインデーまであと数日。男性はこの日をどのように迎えるのだろうか。

32歳独身の会社員Aさん(流通)は「仕事が忙しくて何も意識しませんよ。あんなイベント、無意味ですね」と素っ気ない。もちろん、今年はいくつチョコがもらえるかなどとソワソワするわけではないらしい。

しかし、今回の取材によって、バレンタインデーを面倒くさがる者は、男であろうと女であろうと社内での評価を落とすことになることがわかった。なぜなら、この国民的イベントは、義理チョコを媒介とした「人の品定め」をする機会にもなっているからだ。何をどのようにあげて、どうお返しするのか。このやりとりの中で、人としての品位やセンス、共感力の有無、また、違いがわかる才覚があるかなどが見えてくるのだ。

まず、女性にとってのバレンタインデーの位置づけを確認しておこう。

プランタンの調査(2016年度版)ではこういう結果になっている。

[1位]彼やパートナーに愛情や感謝を伝える日:58%
[2位]お世話になった人に感謝の気持ちを伝える日:44%

では、マクロミルの調査(2015年版)ではどうか。

[1位]日頃の感謝の気持ちを伝える日:55.4%
[2位]好きな人に愛を伝える日:30.4%
[3位]身近な人とコミュニケーションを深める日:30.2%

バレンタインデーは今や恋愛イベントというより、日ごろお世話になっている人に「感謝を伝えるためのイベント」という色合いが濃くなっている。

実際、「手作り派」「百貨店で買う派」「同僚に義理チョコをまとめ買いしてもらう派」の女性3人に話を聞くと、こんな答えが返ってきた。

▼手作り派 ……アキコさん33歳・大手IT企業事務・未婚

「普段の感謝を表す日ですね。用意する余裕があれば楽しいし、コミュニケーションが生まれるから、準備できる人は何かをあげたらいいと思う。でも、やらないことで特にデメリットはないですね」

アキコさんは数年前から、バレンタインデーの前夜か当日の朝、手作りのクッキーを50枚程度焼き上げ、職場の男女に配っている。それが大好評で、例年続いているという。