親が主体的に「選ばせる」
子どもがストレスを感じているようだったら、子どもの好き嫌いに注目して選択肢を示してあげてください。
幼い子どもでも、『アンパンマン』が好きだとか、チョコレートが好きだとか、ある程度の好き嫌いを持っているはずです。その好き嫌いに沿って、「『アンパンマン』の映画を観る?」「チョコ、食べようか」「どうしたい?」というふうに選ばせてあげるのです。
幼い子どものためのストレスコーピングの場合、基本的には情動焦点型だけで問題ありません。幼い子どもの場合、先々起こることでストレスを感じるということが少ないからです。
でも、子どもが成長して小学校中学年くらいになると、具体的な問題を解決する必要も出てきます。その頃の子どもがストレスを感じるいちばんの問題というと、やはり勉強になるでしょう。
その場合も子どもに選ばせてあげましょう。たとえば、子どもが勉強に集中できなくてストレスを感じているのなら、親が勉強を見ていたほうがいいのか、ひとりで自分の部屋でやるほうがいいのか、あるいは塾に通いたいのか。
子どもと相談しながらいろいろな選択肢を示してあげるのです。
ただ、注意してほしいのは、「親が答えを決めつけない」ということ。
選択肢を示しながらも、「わたしはこれがいいと思う」なんて親が思っていると、子どもが別の選択肢を選んだときに親はイライラしてしまうものです。
そんなことでは、子どものストレスを解消しようとしているのに、親がストレスを感じるということになりかねません。
いつも一緒にいられる親の強み
また、余裕を持って時間を使うということも意識してほしいポイントです。
誰よりも子どもと長くいられるのが、親が持つ最大のメリットです。
ストレスを感じている子どもにカウンセリングを受けさせるとしても、カウンセラーがその子どもに会えるのはせいぜい週に1回、30分くらいのものでしょう。
もちろん、カウンセラーは専門的な知識や技術を持っていますが、それ以上につねに一緒にいられるということが親の持つ強みなのです。
「いますぐ解決してあげなくちゃ」なんて思う必要はありません。親が焦ってイライラすることなくじっくり子どもと向き合い、子どもにとって最適なストレスの対処法を一緒に考えてあげてください。