※本稿は、おおたとしまさ・監修、STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ・編集『究極の子育て 自己肯定感×非認知能力』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
ストレスが人間を生かしている
ストレスは、わたしたちにとって必要なのでしょうか?
その答えは「YES」です。
ただ、それは自分が付き合えるほどの「ある程度のストレス」ということになる。手に負えないような過大なストレスは心を大きく傷つけてしまいますから、ないに越したことはありません。
一方、ある程度のストレスとは、たとえば「お腹が減る」といった日常的に感じる小さなストレスです。それこそが、人間にとって重要なのです。
人間というのは、お腹が減るからご飯を食べようとするし、将来が不安だから働こうとする。もちろん、そこに楽しみを見出している一面もありますが、自分が生きていくためにするべきことをしないといけないという危機感を与えてくれるのがストレスなのです。
「転ばない」より「起き上がる」
そもそも、まったくストレスを感じないとしたらどうなるのかと想像してみてください。
お腹が減ることにストレスを感じなければ、体はエネルギーを求めていても食事をしようともしない。また、将来になんの不安も感じませんから、お金を稼ごうと働くこともしないでしょう。
つまり、ストレスを感じなければ、生きていけないということになるのです。
そういう意味では、子どものストレスを排除し過ぎることは危険だという言い方もできます。「転ばぬ先の杖」という言葉がありますが、ストレスマネジメントにおいてはその杖は危険なものです。