「最悪の状況」で衆院選を迎える悪夢

それに加えて、昨年末以来の菅内閣の支持低迷だ。朝日新聞社が23,24日に行った全国世論調査で菅内閣の支持率は33%。発足直後にあたる昨年9月の65%から、4カ月で半減している。それが地方選に少なからず影響を及ぼしたのは間違いない。コロナ禍による有権者意識の変化と、菅政権の支持低迷が、地方の異変を起こしている。

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今年は「選挙イヤー」だ。4月には千葉、秋田の両知事選と名古屋市長選がある。まだ構図は定まっていないが、分裂含みだったり、強力な現職がいたり、と自民党にとって難しい選挙ばかりだ。そして7月には都議選がある。

衆院選は、任期満了の10月ごろになるとの見方が永田町では支配的だ。菅自民党は、地方選をひとつずつ手堅く拾い、その先の衆院選で勝利を収める戦略だった。ところが、取りこぼしや、分裂を重ねることで、秋までに万全の態勢を整えられない自治体が増えてきそうだ。

この危機を脱するにはどうしたらいいか。唯一の解決策は、コロナ危機を早期に脱却し、政治に信頼を取り戻すことだろう。そういう意味でも、ここのところ批判を受け続けている菅義偉首相が強いリーダーシップを発揮することが待たれているのだ。

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