自分を攻撃してくる人

ここでは、パワハラ、セクハラといった直接的な危害を与える人だけでなく、陰で悪口を言ったり、人の弱みに付け込んだり、自分を見下す態度を取る、不安感をあおるような態度を取るなど、自分が嫌がる行為をする人も含めて、「自分を攻撃する人」と捉えてみます。

中野信子『「嫌いっ!」の運用』(小学館新書)

自分が嫌な行為をしてくる人を嫌いになるのは当然なことです。

「直感」は無視してよいものではありません。「嫌い」という「直感」を覚えたら、できるだけその人の近くにいる頻度を下げるほうがよいと思います。

しかし、どうしても自分が嫌がることをしてくる相手と接する頻度を下げられない場合は、いかに自分への攻撃を減らすことができるのか、自分が抱えるストレスをいかに減少できるのか、ということがポイントになるでしょう。

例えば職場が一緒であるなど、距離の近い人となんとかうまくやっていくには、ちょっとした小技が物を言うこともあります。

なぜ攻撃してくるのかを分析

まず、なぜその人は、自分が嫌がる行為をするのか考えます。

相手が自分を攻撃することに対し、何らかの大義名分をもっているとしたら、その内容について、どうすればよくなるのか、直接相手にアドバイスを求めるという方法があります。

例えば、「仕事が遅い、無能だと言って、文句を言う」「態度が反抗的だ(もしくは消極的だ)と決めつけて叱責する」「男にこびへつらう態度が気に入らないと難癖をつける」など、何か理由をつけて攻撃してくる場合には、直接その相手に「どうしたらよくなるでしょう」と相談してみるのです。

直接アドバイスを求めるなんて、かなり難しい解決策に思えるかもしれません。しかし、これは脳科学的にも有効な方法です。

人間は誰しも「自分は正しい」と思いたい欲求をもっています。脳には、自分の行動を監視する回路があり、自分の言動が正しくないと判断すると、不快を感じるようになっています。

それなのに、人間はときに正しくない行動を取ってしまうことがあります。このとき、自分の正しくない行動に対して、脳は正当化しようと働き、自分は正しいと思い込もうとするのです。