類似する具体例を考えてみる

2つ目にオススメする読書術は、『類似する具体例を探してみる』です! 先ほどとは逆に、筆者の主張をサポートしている具体例の類似例を考えてみることでも理解は深まります。これは、言葉であれば、もっと簡単な類義語に置き換えてみるとか、抽象度が高かったり特殊性が高かったりする例なのであれば、もっと卑近な例に引き寄せてみるなどのようにするということを指します。

先ほどの「恋は盲目」の例で考えてみるならば、「恋は盲目とは言うが、それでは自分には周りが見えなくなってしまうほどに熱中してしまう/してしまった例はあるだろうか?」や、「実際に盲目的なほどに恋愛に熱中してしまった友人はいただろうか?」といったようにです。

先ほどは真逆の例を考えることによって筆者の主張の有効性を確かめましたが、これは全く逆の方向から、つまり筆者に逆らわないような方向から、その言説の有効性を確かめるという試みになります。

どのようなことについても言えることではありますが、やはり一方向からのみの検証だけでは、どうしても論の検証として不健全ですから、最低でも逆らう方向からの検証と、従う方向からの検証の2パターンは必要かなと思います。この2つを行うだけでも、その主張に対する理解は相当に深まるはずです。

例外を考えてみる

最後におススメするのが、「筆者の主張の例外を考えてみる」ということです。どんな定理や言説にも必ず例外はあります。これは仕方のないことですが、「その例外はどうして起きたのか」「どうすれば例外が発生しないのか」ということを考えることによって、主張自体の成立する条件や範囲、環境をより厳密に検証することができるのです。

先ほどの「恋は盲目」を例にして言うのであれば、「恋は盲目とは言うが、たとえ恋をしても盲目的に熱中する人と、熱中しない人がいる。それでは、前者と後者の違いはいったい何なのであろうか?」と考えることがそれにあたります。

盲目になる人に理由があるのか、もしくは逆に、盲目にならないようなタイプの人に何か秘密があるのか。このように考えるだけで、ある論に対する理解はグンと深まります。上記2つの検証法に加えて、この検証を行えば、ある程度はその論を理解することができるはずです。

コロナ第3波が叫ばれ、さらなるステイホームが推奨される今だからこそ、家に引きこもって読書にふけるのはいかがでしょうか?

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