なぜ読んだ本の内容を忘れてしまうのか。現役東大生の布施川天馬氏は、「筆者の主張をうのみにし、本の内容をしっかりと理解しないから忘れてしまう。忘れない読書をするためには、3つのことを意識してほしい」という――。
多数の積まれた書籍
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いつの世も「読書」に付きまとう悩み

みなさんは「読書」は好きですか? 「積ん読」という言葉が広まって久しいですが、テレビやラジオなどの映像・音声メディアが時代から置いていかれてもなお、本という旧式のメディアは一定の地位を保ち続けているような気がします。

社会的地位の高いビジネスパーソンの方々とのハイコンテクストな議論についても(もちろん雑談を含みますが)、知識や教養が身に付いていて得をすることはあっても、損をすることはなかなかありません。ですから、やはり本を読んで知識を深めるということは、社会的な地位を得れば得るほどに避けられないものになるでしょう。

ここで問題になるのが、「読書の方法」です。読書とは読んで字のごとく「書を読む」ことを指しますが、だからといって、本を開いてパラパラとページをめくりながら文章を目で追っていっても、それだけで知識が身に付くものではありません。