生き方を見つめ直し、YouTuberとして悩みを発信
「無理してニコニコしない、人と比べないことを意識するようにしたら、精神的な余裕ができました。子供にはいろいろ我慢をさせることも多いので、昔はダメ親だなって自分を責めてばかりでしたが、考え方を変えたら無駄に落ち込まなくなったし、何より子供に対しても寛容になって怒ることが減りました。
経済的にもいろんなことを我慢させている子供には申し訳ないけど、今はみんな笑ってられればいいかなくらいに思います。最低限、ご飯食べて生きていければ。動物の子育てみたいな感じです。自分は自分だと思うようにしました」
等身大の自分でいい。自分の生き方を見つめ直したはなえさんは、昨年末から「貧乏・借金・子沢山 シンママはなえのこじらせ劇場」としてYouTubeに動画を投稿している。内容はシングルマザーの悩みや暮らしについてだ。
「はじめは吐け口のような部分も正直ありました。でもそれ以上に、私の経験が誰かの気づきになればという思いが前々からあって。本当は、インスタに流れてくるようなキラキラした生活にも憧れたし、不幸だ、かわいそうだ、と思われたくない自分もいました。
でも、人にどう思われるかは操作できないと思ったんです。わたしをみて不幸だと思う人もいれば、もしかしたら幸せそうに見える人もいるのかもしれない。それなら飾らなくていいのかもと思えました。
実際、コメントを見ると、「同じような人がいてうれしい」と言ってくれる人もいれば、「まだマシでしょ」「あんたより私のほうがツラいわ」と否定的な人もいます。でも、アンチコメントって、犬が吠えるのと同じで、強く攻撃的な人ほど何か抱えているものがあるのかなって思っているんです。
母親も、どこかで寂しい、哀しいという思いが、攻撃的な言動になっていたのかなって。だから、その人が感情を出せたと思うと、攻撃的なコメントすら意味があったのかなと思っています」
「つらい気持ちはどこかに吐き出してほしい」
現在の暮らしは、派遣社員の月収17万円の収入のほかに児童手当の支給もあるが、生活はカツカツだ。養育費の振り込みも止まっている。だが、YouTubeの収益が月平均6万円に達し、家計を助けてくれている。
最後に、シングルマザーにどんなメッセージを届けたいか聞いてみた。
「つらいという気持ちを出さないようにしている人が多いんじゃないかと思うので、どこかに出すというのをちょっとずつしてほしいです。独り言でもいいし、紙に書くでも。どんな形であれ、つらい気持ちを抱え込みすぎないようにしてほしい」
彼女の場合、そうした気持ちを出す場所がYouTubeであり、それは収入にもつながった。人生、なにが起きるかわからない。今度の人生は、過去を巻き返すようなポジティブな出来事が続いてほしい。