最近はスマホがなくても考えることがある。気になる人と出会えたら、まず話してみるというテーマもできた。ささやかだけど、しっかりしたものが生まれた気分。

うん、悪くないだろう。

2号のスクリーンタイムをチェックしてみると…

iPhoneにスクリーンタイムという機能がある。1日の間にどれだけスマホを使ったかという機能なのだが、この機能について、「自分のスクリーンタイムをチェックしたら“4時間”と表示されて反省しきりである」といった誰かのツイートを見かけたので、試しに私も自分のスクリーンタイムを確認してみた。6時間。まだ夕方にもなっていない明るい時間だった。乾いた笑いしか出なかった。

ある日は8時間、またある日は10時間もスマホをいじっている私であった。1号が言うように猫は本当にかわいいと思うし、野良猫なんかに出会った日にはスマホはただ、彼らのかわいい姿を撮影する道具になる。しかしだ。スマホ以上に楽しいこと?

「私……そういうものありませんよ」。目の前で熱弁をふるっていた1号が意気消沈していくのを感じた。当然だろう、私にそんなものがあれば日がな1日スマホに支配されることなんてあるわけないじゃないか、と言ってやりたい気持ちは山々だったけど、のっけから水を差すわけにはいかなかった。

あなたが「スマホから手を放す瞬間」はいつですか

「私がスマホから手を離す瞬間っていつかなあ?」

テス・ムンジョン『1cmダイビング 自分だけの小さな幸せの見つけ方』(宝島社)

ビールを飲むとき。違うな。それだけじゃあ弱い。私は片手にビールを持ったなら、もう片方の手では必ずスマホをいじるほどの中毒者だ。

ならばビールを飲みながら映画を観るときはどうか。私の大好きなことを2つ選ぶなら映画とビールだからだ。たしかによく考えてみると、その2つを同時に行っている間だけはスマホを見ていなかった。映画を観ながら飲むために買ってきた缶ビールを冷蔵庫にしまうときほど、充実した瞬間ったらない。

スマホより楽しいこと。のどかな平日の午後、カフェで1号と向かい合って、こんなことを探り合っている状況は、妙に居心地が悪い。だけど私は日誌には、こう書き留めることにした。

「後で家に帰ったら缶ビールを1本飲みたい。ずっと先延ばしにしてきた『レミーのおいしいレストラン』を観ながら」

――さあ、あなたに訪れた最初の質問です。「スマホ以上におもしろいことがありますか?」

書かなくてもOKです。気楽に考えてください。そして実践してみてください!

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