平成の間、女性の社会進出が進んだにもかかわらず、若年女性の「専業主婦志向」が高まっていったのはよく知られています。この原因として、職場と家庭の男女平等が進まず、若年女性が労働に失望しているという説や、男性一人で家庭を維持していくだけの賃金を得るのが難しくなっており、だから逆に専業主婦になることがステータス化しているという説などが言われてきました。ところが、ここ数年、1990年代後半~2000年生まれの「Z世代」では、さまざまな調査でようやくこの「専業主婦志向」に減少傾向が見え始めています。イマドキの女子は本当に専業主婦を希望しなくなったのか、若者の価値観に詳しい原田曜平さんが探ります。
【座談会参加者】
鈴木 詩音莉さん/慶応義塾大学法学部3年生。結婚もキャリアも手に入れたい共働き派。女性
原田 梨々香さん/慶応義塾大学文学部1年生。家庭を持たず自由に働き続けたい独身派。女性
落合 聖仁くん/明治大学経営学部4年生。奥さんには家事育児に比重を置いてほしい派。男性
曽我 大晴くん/慶応義塾大学商学部2年生。仕事も家事も夫婦対等でいたい共働き派。男性

共働き派「職場で自分の世界を広げたい」

【原田】日本では昔から若い女性の専業主婦希望率が高くて、特に平成の間はずっと増え続けてきたんだ。でも君たちの世代では、一時的かもしれないけど逆に減ってきている。今回参加している女子は、専業主婦という選択肢をどう思っているのかな?

Zoomにて、座談会を開催。右上から右回りに落合君、曽我君、原田さん、鈴木さん。
Zoomにて、座談会を開催。右上から右回りに落合君、曽我君、原田さん、鈴木さん。

【鈴木さん】私自身もそうですが、周りにも専業主婦希望の人はほとんどいないです。私の場合は共働きの親の姿を見て育ってきたし、子どもにも今の自分と同じか、それ以上の生活レベルを与えてあげたいから。あと、家庭の中という限られたコミュニティで過ごすことにも抵抗があります。外に出て働いて、職場で新しい人間関係をつくっていきたいです。

【原田】昭和の理論で言えば、自分で働かなくても、稼げる男性と結婚すれば生活レベルは維持・向上させられるよね。もちろん、昭和の時代と比べると、一家の家計を一人で背負う程の収入がある男性が減ってきているのだろうけれども。それに今はSNSがあるから、専業主婦も気軽に新しいコミュニティをつくっていける。家庭以外にも世界を持つ「開かれた主婦」もたくさんいると思うんだけど。

【鈴木さん】人に頼るより、自分の生活レベルは自分であげたいかな。それに、私の周りでは、SNSで新しいコミュティを開拓している人はあまりいなくて、SNSの使い方って今いる友人を維持するためのものという感覚です。だから、やっぱり働いていたほうが開かれているイメージがありますね。あと、将来自分が専業主婦になって学生時代の友達と会ったら、働いていないことを負い目に感じそう。