家庭を持たずに働き続ける独身派女子も

【原田】どうして負い目になるんだろう。酒井順子さんが『負け犬の遠吠え』ってベストセラーを2003年に書いて、あの本は内実では未婚女性の応援歌の面もあったけれど、少なくとも表面的には、働かなくても食べていける女性を「勝ち組」と呼んでいた。

【鈴木さん】私たちの世代は親が共働きの人も多いからかな。祖父母の時代は「男は仕事、女は家庭」が普通だったと思うんですけど、今は、夫婦は対等で支え合って生きるのが普通という感覚ですね。だから自分も働いていないと「対等」が崩れちゃう気がします。

【原田(梨)さん】私の場合はちょっと違って、母は専業主婦ですが、私は結婚願望も子育て願望もありません。だから専業主婦っていう選択肢もないですね。家庭があると、例えば海外に住みたいと思っても気軽に行動できないでしょう。自分のやりたいことを優先したいから、家庭は持たずにずっと働いていくつもりです。

【原田】自分のやりたいことを優先してきて、結果、家庭を持たなかった、というパターンは過去にいくらでもあり、それが日本の生涯未婚率の上昇と関係していそうだけど、今後は、最初から家庭という選択肢を想定しない、という人たちも増えていくかもしれないね。周りにもそういう人は多いの?

【原田(梨)さん】友達には、結婚したくないという人はいないです。就職はするけど早く結婚して、それで早く仕事を辞めて専業主婦になりたいという子もいます。友達の間では、結婚したくないのは私だけです。

我が強い「欲張り女子」が多い

【鈴木さん】結婚したくないという人は、私の周りにもあまりいないです。私も含めて、将来もずっと働き続けたいっていうバリキャリ志向の子がほとんどだけど、それでも結婚はしたい。私たちの世代は我が強い女子が多いのかも(笑)。だからこそ欲張りで、手に入るものは全部ほしいと思っちゃう。

【原田】なるほど。原田さんが結婚したくない理由も「自分のやりたいことを優先したい」だったから、我が強いうちに入るのかもしれないね。でも、原田さんの周りの子たちは専業主婦志望なわけだから、同世代の特徴とは逆のように感じるな。どうして専業主婦になりたいんだろう。

【原田(梨)さん】仕事を選ぶ基準がお給料だったりして、仕事そのものにはあまり意欲がないから早く辞めたいのかも。そもそも自分がお給料をそんなにたくさんもらえると思っていなくて、だから男性に頼りたいという人が多いです。でも、玉の輿に乗りたいとか高望みしているわけじゃなくて、つつましい生活でいいって。無理して努力するより、ただほのぼのと暮らしていたいのかな。大学に進学せずに高校を卒業して働き始めている友人にこのタイプが多いです。