「専業主婦になりたい理由」も大きく変化している
【原田】あくまで仮説だけど、君たちの話を総合すると、高学歴女子の間で昔以上にバリキャリ志向が高まっていて、そうでない女子たちの間では専業主婦志向が根強い、ということかな。平成の途中までは、高学歴女子でも専業主婦になるのが当たり前の時代があったけど、さすがにそれは少なくなっているんだね。
で、高学歴女子の対極にあるマイルドヤンキー女子は、そもそも金銭欲も物欲もそれほどないし、仕事を頑張ったところでそれほどお金ももらえないから頑張りたくない──。それもまた、イマドキの若者っぽい層と言えそうだね。夫が稼げるように支えたいわけでもなく、つつましい収入で「まったり専業主婦」を目指しているところが特徴的だな。
【落合くん】そうだと思います。この前バイト先で、女性が働き続けたいか専業主婦になりたいかには、学歴が関係しているんじゃないかという話が出ました。勉強で努力してきた女性は、給料うんぬんより働くこと自体にプライドを持っているんじゃないかと。そうでない人は、お金がないから働く、お金があれば働かない、というふうになりやすいのかなと思いました。
【原田(梨)さん】そうですね。先ほども言いましたが、私の周りの専業主婦になりたい子には、高校を卒業してすぐ働き始めた人が多いです。
【落合くん】僕の内定先では、同期の女子で専業主婦になりたいという子はゼロです。結婚も、自分より収入や地位が高い人としかしないって言い切っています。でも正直、僕はそういう女性とは合わないかも。気が強い人は得意じゃないので……。
【原田】その同期の女子の意見もわかるけど、今は男性の収入も減ってきているから、稼げる人となると対象がかなり限られそうだよね。そう考えると、原田さんの友達のほうが現実的なのかもしれない。ところで男子は、結婚したら奥さんには働いてほしいのかな。それとも専業主婦になってほしい?
互いに依存する夫婦にはなりたくない
【落合くん】自分の給料だけで2人生活できるってわかったら、働くかどうかは奥さんの意思に任せます。生活できるなら「絶対に働いてくれ」とは思わない。「働きたくないからあなたと結婚しました」という考え方でも全然OKです。
【曽我くん】僕は、2人とも同じぐらい働いて同じぐらい家事をする、対等な関係がいいです。ちょっと前、政治家の岸田文雄さんが奥さんとの写真をツイッターに上げて、それが主と家政婦みたいだって話題になったじゃないですか。あれをきっかけに、サークルの女子と「互いに依存する夫婦にはなりたくないね」っていう話になって。収入は夫に、家事は妻に100%依存するような生活は嫌だよねって、周りも皆同じ意見でした。
【原田】まあ、政治家の奥様は恐らく普通の専業主婦では全くないと思いますが(笑)、あの写真は随分若者たちには不評だったみたいだね。平成の間、若年女子の専業主婦志向は高まり、逆に若年男子の奥さんに働いてほしいという願望はいろいろな調査で高まっていて、このギャップが若年層の未婚化につながっていた、と言われていたけど、どうやらこのギャップは薄まりつつあるようだね。