何に使った支出なら制度が利用できるのか
特定支出の控除の特例の「特定支出」とは、サラリーマンが支出した通勤費、職務上の旅費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費の7つに限定されていて、さらに給与の支払者が証明したものに限られる。
詳細については、国税庁HPの【第1解説編】をご一読いただきたい。
特定支出控除を受けるためには、まずは、国税庁のホームページから、特定支出ごとに用意された明細書をダウンロードしなければならない。
特筆すべきは、この用紙に必要事項を記入して、その用紙の証明書欄に会社のハンコをもらわなければならないということだ。
そして、確定申告の際には、「給与所得者の特定支出に関する明細書」や「給与所得の源泉徴収票」、特定支出の領収書やレシートを申告書に添付する必要がある。
「いや~、国税庁のHPの【第1解説編】に目を通してみたけど、どれも該当しそうにないし、やっぱり自分には関係のない特例だなぁ……」と思われただろうか。
いやいや、そんな事を言わずに、せっかくの特例なのでなんとか使える方法はないものか、ちょっと一緒に考えてみてほしい。
「研修費」と「資格取得費」の内容を確認すると…
それは、研修費と資格取得費だ。
職務の遂行に直接必要な技術又は知識を習得することを目的として受講する研修(人の資格を取得するためのものを除きます)であることについて給与等の支払者によって証明がされたもののための支出(以下「研修費」といいます)。【所法57の2②四、所規36の5①四】
《留意点》
○「受講する研修」とは、第三者が自己の有する技術又は知識を不特定多数の方に習得させることを目的として開設されている講座等において、その第三者から訓練又は講習を受けることにより、その技術又は知識を習得する、いわば受動的立場での研修をいいます。
○特定支出控除の対象となる研修を受講するための交通費も特定支出控除の対象となりますが、その交通費が研修を受けるために必要な支出であるかどうかは、その研修の内容、旅行経路、旅行期間等を総合勘案して実質的に判断することになります。
(注)次の(5)の「資格取得費」についても同じです。
人の資格を取得するための支出で、その支出がその方の職務の遂行に直接必要なものであることについて給与等の支払者によって証明がされたもの(以下「資格取得費」といいます)。【所法57の2②五、所規36の5①五】
《留意点》
○年をまたがる授業を受ける場合に、授業料等の支出をしたときには、入学金など入学に際して一括で支払うこととされているものを除き、その支出した金額のうちそれぞれの年に対応する部分の金額をそれぞれの年の特定支出の金額として計算します。
(注)授業料等が未払の場合は、その年中に支出をしていませんので、特定支出には該当しません。
○資格を取得するための支出については、結果として資格の取得が出来なかった場合であっても、特定支出となります。
【国税庁HP 令和2年分以後の所得税に適用される給与所得者の特定支出の控除の特例の概要等について(情報)別冊②【第1解説編】(PDF/234KB)より抜粋】