(1)『論語と算盤』 渋沢栄一・著 角川ソフィア文庫
…日本資本主義の父と言われる著者の訓話集。論語を基盤に、利益を得ることの意味から教育や人物鑑定法に至るまで縦横に説いている。
(2)『失敗の本質』 戸部良一ほか・著 中公文庫
…第2次大戦で日本軍が敗れた6つの戦闘を取り上げ、その原因を分析。組織的欠陥を指摘することで現代の組織への教訓となっている。
(3)『戦略の本質』 野中郁次郎ほか・著 日経ビジネス人文庫
…左記の姉妹編。ナポレオン戦争からベトナム戦争までを分析。組織にとって勝利を得るための戦略とは何かを、戦史から解明している。
(4)『分析力を武器とする企業』 トーマス・H・ダベンポートほか・著 日経BP社
…内向きな財務分析だけに統計を使う時代は終わった。データ分析から競争優位をつくった米国企業の実例集。
(5)『未来を予見する「5つの法則」』 田坂広志・著 光文社
…弁証法的思考から「予測」できない未来を「予見」。新たな経済原理の誕生など12の大局的変化を呈示する。
(6)『峠』 司馬遼太郎・著 新潮文庫
…数多い司馬作品の中でも高い人気を誇る。たった一藩で政府軍と戦い、散っていった越後長岡藩家老・河井継之助の悲劇を描く。
(7)『ハイ コンセプト』 ダニエル・ピンク・著 三笠書房
…今後、世界で成功するには6つのセンスが必要。デザイン、物語、調和、共感、遊び、生きがいだ。そのためには右脳が重要だという。
(8)『インポッシブル・シンキング』 ヨーラム“ジェリー”ウィンド・ほか著 日経BP社
…「メンタルモデル」という固定観念の見えない束縛に誰よりも早く気づく技術を脳科学の視点から提案する。
(9)『マオ-誰も知らなかった毛沢東』 ユン・チアンほか・著 講談社
…多数の関係者への取材によって書き上げられた精密な毛沢東伝。信念のあやふやさや女性遍歴なども描いている。
(10)『一千年目の源氏物語』 伊井春樹・編 思文閣出版
…1000年の長きにわたり読み継がれてきた『源氏物語』。その魅力を丸谷才一など8人の識者が語り尽くす。講演録のため読みやすい。
(11)『新日本永代蔵』 舩橋晴雄・著 日経BP社
…宮大工の金剛組や羊羹の虎屋など全国各地の長寿企業40社を訪ね歩き、企業永続の法則を探った書。日本型経営の源流が見えてくる。
(12)『プロフェッショナル進化論』 田坂広志・著 PHP研究所
…「ウェブ2.0革命」で今後はシンクタンクの機能を一人のプロフェッショナルが担える時代になると予測。その力をつける道筋を示す。
(13)『活かす論語』 守屋 淳・著 日本実業出版社
…論語の入門書だが、思想の解説だけでなく、広田弘毅や庭山慶一郎ら現実の政治家、経済人を論語の視点から論じている点がユニーク。
(14)『戦後日本外交史』 五百籏頭 真・編 有斐閣
…編者は防衛大学校長。語られることの少ない戦後日本外交の全体像を、時代順に丁寧に記述している書。今日の日本を知るテクストだ。
(15)『課長 島耕作』 弘兼憲史・著 講談社
…信念をもって亜流を歩んだ主人公に、新浪社長は「僕も亜流なので共感する。しかも島はモテる。魅力ある経営者で憧れる」という。

(守屋 淳=インタビュー 小山唯史=構成 永井 浩=撮影)