なんでも「少々お待ちください」で確認するのは非効率
(1)上下関係がない
まず、大幅な権限移譲をしました。
一般的な高級レストランでは、キッチンではシェフが、ホールでは支配人が全ての権限を握っていて、ほかのスタッフは駒のように動く。絶対的な上下関係が常識でした。
ホールでの接客は、基本的に全て支配人が行います。ほかのスタッフがお客様から声をかけられても、「少々お待ちいただけますか」とお客様に伝えて、待っていただかなければならないこともあるんです。
でも、僕のレストランではそれをやめました。未経験で入ったばかりの子でも、きちんと仕事を教えたうえでですが、接客してよいことにしました。
キッチンでも、シェフが全てのメニューを決めて、全ての料理の味見をするのが普通です。スタッフの腕前がどんなに良くても、基本的に上下関係は超えられないんです。
僕のレストランでは、僕の許可なくメニューを決めたり、味見なしで出してもよいことにしました。もちろん、それだけの腕前があるという判断があってのことです。
うちの店では、誰が偉いっていうのはないんです。みんなが偉いんです。
忙しければ別の場所の仕事もフォローする
(2)セクション間の垣根がない
一般的な高級レストランでは、ホールの仕事とキッチンの仕事ははっきり分かれています。どちらかが忙しくても、お互いに手伝うことはあまりないんです。
でも僕のレストランでは、キッチンのスタッフがテーブルまで料理を届けに行ったり、ホールのスタッフが皿洗いをするなど、忙しいときのフォローを徹底しています。
(3)常に全体最適
僕のレストランでは、自分が楽をするとか得をすることではなくて、常にチームにとって何がベストかをスタッフ全員が考えてくれています。スタッフ間では常に、ホールとキッチンの接点のところで、めちゃくちゃ密にコミュニケーションをとっています。
今お客様がどんな状況なのか、どうしたら喜んでいただけそうか、料理がいつできるのか、何か問題が起こっていないか、起こっていればどう対処するのか、などなど。ひたすら声を掛け合って、頭の中を同期(最新情報の更新・共有)しているような感じです。