コロナショックの影響が大きい業界なのに、絶好調の企業もあるのはなぜか。その背景には偶然の成功ではなく、日々の努力の積み重ねがあった。どんな努力を重ねてきたかを取材した。
KFC(ケンタッキーフライドチキンなど)の通りにビルボード/看板
写真=iStock.com/ola_p
※写真はイメージです

2年前に始まった超復活の改革

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下にあった2020年4月から20年5月、外食業界は危機に陥った。巣ごもり消費を余儀なくされたことで外食需要が蒸発し、売り上げ半減はもちろん、8割、9割減という企業も続出した。その中で健闘したのがファストフードである。もともとイートイン、テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーと多様な販売形態があり、特にテイクアウト、ドライブスルーの利用が巣ごもり消費に合致していた。

このため、前年同月比の既存店売上高は、日本マクドナルドHDで20年4月が106.5%、20年5月は115.2%、モスフードサービスは20年4月が103.7%、20年5月が112.2%と好調だったが、日本ケンタッキー・フライド・チキン(以下日本KFC)は20年4月が133.1%、20年5月は137.6%と、驚異的な伸びを示した。ちなみに、すでに自粛ムードが高まっていた20年3月も、日本マクドナルドの99.9%、モスフードサービスの100.9%に対して、日本KFCが108.2%と、同じファストフード業界の中で日本KFCが頭一つも二つも抜けている。