米中の「報復合戦」が行われている

香港の外国人記者クラブ(FCC)は8月6日、「複数の外国人記者に対するビザについて『極めて正常でない対応』がなされている」と指摘。米中両国に対し「記者の処遇を政争の具として使うことをやめてほしい」と述べた。

現在、米中双方が相手国の記者に対するビザ発給を拒む状況が続いている。今年に入って、中国本土では米国の主要3紙の記者らが実質的に国外追放となった。香港でも、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記者らに対するビザ延長手続きが遅れているという。

FCCはこうした事態に対し「プロの記者が作る正確な情報が人々から求められる今、ジャーナリストをターゲットとした報復合戦は誰に対してもマイナスとなるものだ」と糾弾している。

こうした外国メディア関係者へのビザは、これまでなら「一国二制度」のもと、香港政府の権限で手続きがなされてきたが、現状ではなんらかの変化が起きていることをうかがわせる。

ビザ審査のため新設された謎のセクション

本来、香港では一定の報道の自由が約束されている上、香港に滞在するための手続きについても、中国本土の外国人管理の機関とは全く別組織の「香港入境事務処(Hong Kong Immigration、俗に移民局とも)」が判断して上陸許可を出す格好となっている。そのため、中国本土と香港とのあいだには諸外国への出入国検査と同様のパスポート検査が行われ、厳然と2つの領域を分ける仕組みが存在する。

ところが、国安法の導入後「外国人記者に対するビザ発給の仕組みが変わった」との指摘が聞こえてきた。