「沖縄でテレワーク」はOKかNGか

まず、テレワークを新しい働き方として正式に導入するのであれば、基本的に守るべきルールを明確にすべきです。たとえば、先ほどの沖縄の例についても「テレワーク=遠隔で仕事をすること」と理解した社員が沖縄でもオンラインになれるし、仕事もできると思っていたのであれば、テレワークの定義からは外れていないため、自己解釈上はOKなわけです。

一方で、テレワークの「ルール」として以下のような項目が含まれていたとしましょう。

・基本的にテレワークは在宅勤務を基本とする。
・業務命令として、緊急対応の場合には、通勤時間+30分で出勤できること。
・個人的な理由により上記が難しい場合には、事前に勤務場所を上司に報告しておく。
・ネットワーク環境や携帯電話による回線状態が良好であることをテストしておく。
・使用するパソコンやその他の通信機器は、会社支給のセキュリティ対策が万全のものとする。

このように明記されていたとしたら、恐らく、今回の沖縄への旅行はテレワークという範囲で許されるものではないと判断がつくでしょう。また、それを押してでも沖縄に行けばルールに反していることになるため、何らかの罰則が科せられてしかるべきです。

コアタイムを短縮した代わりに「昼礼」の時間を作った

最初から100点のルールを作るのは無理です。政府ですら、朝令暮改の方針転換があるわけですから、企業や組織であればなおのこと。とりあえず、70点程度のルールをつくり、後から付け加えたり、改定したりしながら完成度を上げていく姿勢が必要です。

ルールの完成度を上げていった企業では、こんな例があります。

今まで、フレックスのコアタイムが10時~16時だった企業が、テレワーク導入時に、コアタイムを13時~15時に変更しました。それにより、時差出勤の自由度が増しました。ところが、チームで揃って会話がしづらい状況になったため、毎日13時半から、朝礼の昼版である「昼礼」を導入することを決めたのです。ランチ後は集中しづらい時間帯なので、集中した作業に充てるよりも仕事の進捗確認や相談タイムに充てたところ、業務の横連携がしやすくなり、コミュニケーションがよくなりました。