何者かになりたければ「孤独になる時間」が必要だ

そして、今、私たちはまた「これからの生き方」を考えるタイミングに入ったと私は感じています。

北野唯我・百田ちなこ『これからの生き方。』(世界文化社)

相対的に寿命が長くなり、この国では終身雇用は終わりつつあります。世界的な疫病で大事な人を亡くした人もたくさんいて、その恐怖を世界中が共有しています。あるいは、リーマンショックのように資本市場は大きな反発を起こすことがあり、人の欲は際限がないと感じることも多くあります。

そんな時代に、私たちが問われているのは「これからの生き方」です。過去ではなく、これからどういう生き方を選択するか、でしかない。私はそう感じています。

私は常日頃から、人がもし何者かになりたい、どこかの領域で一目置かれる人物になりたい、誰かを真に支えられる人になりたい、そう思うならば、人生のどこかで孤独になる時間を許す必要があると思っています。

他の人と違うこと、自分の信じた道を行くこと、過去ではなくこれからの生き方を決めること、悩みながら決断すること、これを選ぶとき、誰もが孤独になるもの、不安になるものです。なぜなら、過去と決別する必要があるからです。あるいは、自分の弱さと向き合わなければならないからです。

その孤独になる時間を支えてくれるのは、他人でも友人でもなく、やはり「自分」であり、自分が感じていることを信じられるかどうか、だと感じています。

それは「生き方」であり、論理では完全には証明することはできないものです。

そもそも、他人に説明する必要なんてないものです。自分が本当に親しいと思える仲間や、家族にだけじんわりと伝わればいいもの。それが生き方であるのだと。

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